韓国発のスマホ連携する月経カップ「Looncup」が、Kickstarterで10万ドル以上を集める

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スマート月経カップなるものが Kickstarter に登場するのはよくあることではないし、ましてや、この種のプロジェクトがクラウドファンディング終了まで18日以上を残して(原文掲載日:10月12日)、希望額の2倍以上を資金調達しているのも、よくあることではない。

このスマート月経カップ Looncup は Bluetooth を実装したスマートデバイスで、従来の月経カップのように経血を集め、その色や量を記録することができる。iOS および Android デバイスと接続可能だ。

Lookcup の開発者である Loon Labs は韓国を拠点とし、Kickstarter で5万ドルの調達希望額を掲示した。MTV、Cosmopolitan、Elite など、さまざまな一般消費者向けの出版物で取り上げられ、2,000人以上のバッカーが 10万428ドルを支援した。

Loon Labs の CEO である Ryong Hwang 氏は e27 とのインタビューで、同社のプロジェクト・マネージャーでマーケティング・エグゼクティブの Kate Lee 氏を通じ、このアイデアが約2年前に端を発することを明らかにした。

彼は当時のガールフレンドが自分にあった月経カップを見つけるのに苦労していたのを考え、スマートテクノロジーを用いた月経カップを作ることを思いついた。

ソフトウェアとハードウェアの融合
ソフトウェアとハードウェアの融合

Hwang 氏はすぐにチームを作り、月経カップの研究を始めた。研究をしていた間、Hwang 氏は月経カップのユーザらと向き合い、彼女たちに月経カップを使い続ける理由について多くの疑問を投げかけた。そして彼は、プロトタイピングと試験フェーズへ。最初の被験者は社内の女性従業員たちだったが、その輪はたちまち同社の友人たちにまで広がった。

プロダクトが世に出ることで、(テストに参加したいと申し出てくれている)バッカーから大変多くの要望を受け取っています。(Lee 氏)

Lee 氏も自ら、時折 Looncup を利用している。

彼女は Looncup をいつ交換すべきがわかるので素晴らしいと述べた。同社が提供するデータはスマートフォンに転送され、医者に行くべきかどうかもわかるようになっている。

大変快適です。泳ぎにも行けるし、ヨガだってできる。(Lee 氏)

これまでに同社は約50人に Looncup をテストしてもらったが、さほど多くの人数というわけではない。さらに言えば、Kickstarter などでたいていのスマートプロダクトがそうであるように、Looncup も継続的な改善が必要になるだろう。

最初のバージョンは、バッカーに届けられる最終バージョンとは全く異なる。

もっと多くの被験者が必要です。なぜなら、現在あるバージョン、これは最初のバージョンですが、電池の寿命や計測の正確性など、いろんな点で改善が必要だからです。(Lee 氏)

安全第一

月経カップの交換時期がわかるようになるとはいえ、Bluetooth やセンサーを内蔵したデバイスを身体に入れることに不安を覚える女性がいることも事実だろう。

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経血の量や色を計測するセンサー

しかし、正直なところ、Bluetooth が身体に悪影響を及ぼすかどうかについて、現在の世界にはデータが集まっていません。Bluetooth は発明されてから10年に満たず、その副作用については多くの研究が進められています。我々も体内で Blueooth やマイクロウェーブが及ぼす可能性がある副作用について研究しているところです。安全なプロダクトを作りたいからです。

実際には Bluetooth は1994年に発明されており、今年で21年目を迎えることになる。

今のところ Looncup は一種類フリーサイズでの提供となるが、基本的には未出産の女性用と出産経験のある女性用の2つのサイズのタイプが存在する。

Kickstarter でのクラウドファンディング中は、個々のユーザのニーズに耳を傾けるべく、できるだけ多くのフィードバックを集めたいと思っています。他のサイズを作ることは簡単ではありませんが、計測することに特化したいと考えています。それがバッカーの人たちに我々が提供できることだと知ってほしい、Looncup の主機能だからです。まずはこの方針で進めます。

Looncup のプロトタイプ
Looncup のプロトタイプ

プロトタイプはゴム製だが、Lee 氏は最終バージョンでは、Looncup は医療用シリコン製になるだろうとも語った。

当初からグローバル展開

Looncup が生まれた韓国では、女性たちはコンビニや薬局、自動販売機で容易に買える生理用ナプキンやタンポンを使っているため、Looncup は当初からグローバル市場を狙っている。したがって、クラウドファンディングの多くのバッカーは、ヨーロッパやアメリカからだ。

Kickstarter でのクラウドファンディング終了後は、同社は韓国の工場で Looncup を1万個製造し、2016年1月までにバッカーのプロダクトを届け、シリーズAラウンドで資金調達をしたい考えだ。同社はシードラウンドで名称非開示の企業1社から98万ドルを資金調達している。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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