起業家の不遇時代に学ぶーーアソビュー、ランサーズ、エウレカの創業時代 #startupgogo

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10月3日(土)、福岡の九州大学大橋キャンパスにて起業家のためのイベント「Startup Go!Go!」が開催。著名起業家や投資家によるセッション、九州のスタートアップたちによるピッチに加え、ブースの出展が行われた。

最初のセッションのテーマは、「日本のスタートアップブームは本物か?」。パネリストには、ランサーズ代表取締役社長 秋好陽介氏、アソビュー代表取締役社長 山野智久氏、エウレカ代表取締役CEO 赤坂 優氏の3名。モデレーターは、グロービズ・キャピタル・パートナーズの東明宏氏が務めた。

同セッションに登壇したパネリストたちは、今年大型の資金調達や大手企業との資本業務提携、海外へのバイアウト等を経験した起業家たち。それぞれの起業経験を語った。

イケてる起業家の不遇時代に学ぶ

まず、東氏が3人の起業家に投げかけた質問は、創業当時の不遇な時代をどう過ごしたのか。福岡でも増えつつある起業家の参考になるよう、大変だった時期の苦労話がシェアされた。

秋好氏「僕は創業当初から、クラウドソーシングサービスを運営していました。最初のころは、クラウドソーシングは全然信頼されてなくて、当時はクレジットカード会社にエスクロー取引の契約を断られたり、営業先の会社に「インターネットで仕事なんか出さないよ」って言われてしまってたりしてましたね」

そのときの流通総額で年間で7000万くらいだったという秋好氏。ニーズはあることはわかっていたため、未来にコミットしているという実感はあったものの、スピードがなかなか上がらないことにはもやもやしていたという。秋好氏は最初からクラウドソーシングのサービスをやると決め、そのまま今まで来ているが、他の2人は違った。

やるサービスが決まらない辛さ

山野氏「僕はリクルート時代の仲間2人と創業したんです。それが1年で2人とも会社を離れてしまって。秋好さんと違って、僕は最初はやりたいサービスがなかったので、ヒューマンリソースの経験を活かして、人材紹介事業をやってました。どんなサービスをやるのが決まらない時期は辛かったですね」

共同創業者とはうまく行かず、いまのサービスにたどり着くまでは人材紹介の事業を手がけていた山野氏。一方、赤坂氏は最初やりたいサービスを持ってスタートしたものの、すぐに撤退を余儀なくされた。

赤坂氏「実は、一番最初はクラウドソーシングサービスをやってたんですよ。ちょうど秋好さんと同時期に。ただ、秋好さんはエンジニアじゃないですか。どんどんサービスが改善されていくんですよね。だから、サービス開発の速度が全然違って。それを見ていて「あ、これは勝てないな」と思ってやめました。そのあとは、広告代理業で稼いでたんですけど、山野さんと同じでどんなサービスをやるかを考えていた時期が辛かったですね」

広告代理店事業の次は、受託事業をスタートさせ、徐々に会社を成長させながら、自社サービス「Pairs」をリリース。赤坂氏のスタイルは、秋好氏や山野氏のような、日本ではまだ市場がないけど市場を作るぞという気概で事業を始めるのとは異なり、日本で盛り上がり始めているマーケットに飛び込んでいくというスタイルだ。

サービスにお金を払ってくれるユーザの存在

起業したばかりの苦しい時代。その時代を抜けるきっかけとなった出来事は、どういったものだったのだろう。

秋好氏「手応えを最初に感じたのは、ランサーズを通じて、初めての依頼があったときですね。その次に「ランサーズで生活してます」というメッセージを宮崎のユーザさんからいただいたときが印象に残っています。このメッセージは出資を受けようという決心するきっかけにもなりました。自分のサービスで生活している人がいるんだ、と思って」

山野氏「僕はYahoo!の小澤 隆生さんからエンジェル投資をしてもらったときですね。「例えこの事業に失敗しても、砂漠で水売れそうだから出資してやる」と言われて。昔から、出会う人との縁はとにかく大切にしていて、それをどのタイミングでも意識していたので、その積み重ねがあって出資してもらえたんじゃないかなと思ってます」

赤坂氏「僕はターニングポイントが多いんで悩みますね。。自分の場合は、代理店、受託、サービスと仕掛けてきた事業で少しずつ成功を積み重ねていった感じです。秋好さんがおっしゃるように、サイトを通じて見えない人からお金を払ってもらったときはすごく嬉しくて、印象に残ってますね」

今は100名を超えるような会社を立ち上げた起業家たちは、どんなサービスをやるのかを探すまでのことを辛い思い出として挙げ、その辛い時代を抜けるきっかけとなったのは、ユーザや投資家といった人々からお金を出してもらうといった体験だと述べた。

これから起業しようとしている人、起業したばかりの人はぜひ最初のユーザにお金を払ってもらうばでがんばってみてもらいたい。

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