MedAwareを開発するのは、IT業界と医療業界の二足のわらじを履いて活動してきた共同ファウンダーでCEOのGidi Steinさん。2002年にテルアビブの医療学校を卒業した後は、内科の道に進み、イスラエルのRabin Medical Centerの内科診療部の副長を勤めたことも。そんなSteinさんが、MedAwareを立ち上げることになった理由とは。
MedAwareのテクノロジーは、150万人の患者によって試されました。私たちのシステムは、Sheba Medical Center(イスラエル最大の病院)に試験導入され、もう間もなく病院に本格導入されます。また、イスラエルで2番目に大きなHMO(医療保険)でも、2016年の第一四半期の導入が決まっています。
でも、社会には、人間にとって最も根本的な食や身の安全すら確保できないでいる人たちが存在します。「これからは、会社や組織が解決に挑む困難と、社会が解決を必要とする困難とがどんどん一致するべき」だとNicoleさんは話します。そんな具体的なプロジェクトの例として、水道料金が支払えない人と寄付者をマッチングする「Detroit Water Project」が紹介されました。
Mae Jemisonが、プロジェクトのチーム選抜に勝つために何をしたかというと、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人たちを集めたことです。テクノロジーにフォーカスするのではなく、彼女は次の恒星系にたどり着くためにチームが使う方法論やプロセスに目を向けました。教師、アーティスト、テクノロジスト、天文物理学者、またピース・メーカーやソーシャル・ワーカーなどの姿もありました。次の恒星系に向けて平和に歩む道を見つけなければ、人類に新しい暮らしはないからです。
「100 Year Starship」と名付けられ、チームはヒューストンを拠点に活動しています。このプロジェクトは、テクニカルな課題やそのソリューションを見つける際の模範モデルとして参考にされています。エリート主義によって見過ごされてしまいがちな人たちを含む多様性に長けたチームを作る。シリコンバレー、またテクノロジーツールを開発する場所はどこも同じアプローチをするべきです。
前代のテクノロジストたちは、ピラミッドの上位に向けて心地よく生きてきました。課題が解決されているのは、その上位部分のみに留まります。私の元上司は、“Entrepreneurs scratch their own itch”(起業家は、自分がかゆいところを自分でかく)とよく言っていました。起業家は自分の生活にある課題を解決しようとする。でも、ピラミッドの下位にある課題と共に生きていなければ、それについて考えるインセンティブは圧倒的に少ないのです。
ここで、このピラミッドの下位の部分で活動をしている女性、Tiffani Ashley Bellさんをご紹介します。彼女は、「Detroit Water Project」の共同ファウンダーでエグゼクティブ・ディレクター。自分の技術とスキル、そしてクリエイティビティを本プロジェクトに注ぎ込んでいます。最も影響力のあるアフリカ系アメリカ人を表彰する「The Root 100」にも選ばれ、Y Combinatorの卒業生でもあります。今日は彼女に、「水」について話してもらおうと思います。
水道料金を払えない人と寄付できる人を結ぶ「Detroit Water Project」
Detroit Water Projectの共同ファウンダー Tiffani Ashley Bellさん
今日は、Detroit Water Projectで、私たちがGitHubやテクノロジーを使って人々をどう支援しているのかについてお話します。超Nerdy(オタク)でも、世界を変えるための支援をすることができるんです。
そもそも、私がこの事実を知ったのは、「Code for America」のフェローとして活動している時に読んだ「Atlantic」の記事がきっかけでした。そこには、デトロイトで水道料金を支払えない10万人の人たちが水がない生活を余儀なくされているとありました。市営の水道会社が、料金が未納だからと水道水を止めてしまう。この人たちは、本当にお金がなくて困っている人たちなんです。別に買い物をしていて水道料金を支払っていないわけではないのに、いきなり水を止めてしまうだなんてあまりにも酷いと思いました。
Detroit Water Projectは、とても大きなインパクトを生んでいます。2014年の7月から集まった水道料金の寄付金は23万ドルに及びます。また、デトロイトとボルティモアで、計900の家族を支援することができました。さらには、40軒の家で、水道料金を支払えないことによる家の差し押さえを防ぐことができました。
誰もが新しい写真アプリを必要としているわけではありません。基礎的なものこそ必要なんです。私は、Code for Americaのフェローでもあるとお話しましたが、個人的にシビックテクノロジーに関心があります。オープンデータやユーティリティデータを用いて、どんなシビックエンゲージメントを生むことができるのか。また、公共政策がどれだけ人々の生活に影響をもたらすのか。
「貧困という課題へのソリューションは、ワシントンで決議される膨大な計画だけでもなく、また地方自治体の懸命な努力に頼るだけでも難しい。私たちには、コラボレーションにおける新しいコンセプトを作り出すことが必要。また、国民資本と地域のコミュニティ・リーダーとの中間にある、創造的な連邦主義の誕生が求められている」(1964年 Great Society Speechにて)
会ったこともない私たちが集まり、助けを必要とする人たちのために何かすることをGitHubが可能にしてくれました。彼らには、ここにいる私たちが持つスキルが必要です。水のように本当に基礎的なものを得るために、支援が必要なのです。この活動には、水道料金を支払うことや運営ボランティアとして、またはオンラインに公開しているソースコードをハックすることで貢献できます。詳細は、Detroit Water Projectのサイトをご覧ください。
<Pick Up> I and We 「Tutorspree」の共同ファウンダーで、Y CombinatorのパートナーでもあるAaron Harris氏のブログ記事をピックアップしてみました。彼は、ファウンダーには「I」と「We」を意識し、使い分ける必要があると説いています。 会社を始める時、ファウンダーに必要なのはエゴ。エゴと聞くとマイナスな印象を持たれるかもしれませんが、ここでの…