糖尿病の症状をクラウド管理してくれるアプリ「Diabeto」が正式ローンチ

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新たな医師に診てもらわなければならないとき、糖尿病データの用紙を忘れて出かけてしまってイラついたことはないだろうか。そんな人のために、血糖値を記録してクラウド上に保存し、お気に入りの医師とビデオ相談ができるアプリ Diabeto がおすすめだ。

Diabeto は世界糖尿病デーである11月14日に公式発表されるが、Android 端末ではすでにダウンロード可能となっている。

世界中で3億5,000万人もの人が糖尿病に苦しみ、中でもインドでは6,510万人が闘病している中、Diabeto の配信はまさに待ち望まれたものであろう。

このアプリは、2012年に Amir Shaikh 氏、Shreekant Pawar 氏、そして Hemanshu Jain 氏によって設立されたムンバイとニュージャージーを拠点とするスタートアップ Diabeto によって開発された。設立者の3人は、多くの家族が糖尿病に苦しんでいることに気づき、このアイデアを思い付いた。

Shreekant 氏は Tech In Asia に次のように語った。

私たちは皆、この病気に苦しむ人々と直接的・間接的に関係があるのです。私の両親は、糖尿病を20年以上も患っています。

Diabetoの機能

Diabeto はさまざまなグルコメータ(血糖値測定器)に接続できる鳥の形をしたデバイスだ。接続すると、無線を使ってデータをモバイルアプリに送信する。このデバイスは来年ローンチ予定だが、現時点では、患者が手動で自分のデータを送信することができる。

アプリがクラウド上に糖尿病データをアップロードして保存してくれる。患者がアクセスを認めれば、データは患者本人以外にも患者の看護士や遠方に住んでいる家族も見ることが可能である。

さらに、アプリを使い自宅に居ながらにして自分が選んだ医師にアクセスすることができる。これは年配の人だけではなく頻繁に旅行をする人にとっても有難い仕組みだ。

ビデオチャットによる相談

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遠方を旅行する患者にとって、全ての処方箋を持ち歩くのは簡単ではない。その上、毎回同じ医師に診てもらえる訳でもない。Diabeto は、クラウド上に患者のデータを保存し、そのデータを医師に見てもらう方法をとることで、この2つの問題に対応している。

糖尿病患者は相談料の650インドルピー(約1,200円)を支払えば、アプリに登録されたどの医師とも遠隔相談することができる。

内分泌学者で Diabeto の委員の一人でもある Gaurav Beswal 氏は、次のように語った。

糖尿病の人達にとって、自分で血糖値を調べ、記録を取り続けることはかなり面倒で重荷になっています。Diabeto を利用すれば、いつでも簡単に血糖値の記録を取ることができ、煩わしさもなくなります。

健康問題

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国際糖尿病連合によれば、インドの好景気は、糖尿病患者の急増、および糖尿病にかかる危険性の増加を伴っているという。一部の都市での患者の増加率は20%にまで上昇し、最近の数字では、農村地域での増加も示されている。

遺伝的要因のほかにも、栄養、ライフスタイル、人口転換、増加を続ける偏った食生活と運動不足が、肥満の犠牲になる東南アジアの人々が増加する原因となっている。

糖尿病で苦しむ人は2030年までにインドでは7,940万人、中国では4,230万人、そしてアメリカでは3,030万人に達すると予想されている

また、ヨーロッパ全体では約6,000万人おり、毎年高血糖が原因で命を落とす人は世界で340万人いるとWHOは見ている。

糖尿病患者が増加していることで関連アプリが市場に出始めている。ほんの数例を挙げると、HealthPlixDiabetes PalDiabetes Connect などだ。

HealthPlix は今年初め、世界的な企業の上級幹部2名とバンガロール在住の個人資産家からエンジェルラウンドで1,600万インドルピー(約3,000万円)を調達した。

Diabeto 自体も今年のクラウドファンディングキャンペーンで1万8,945米ドル調達している。

Diabeto は2012年に設立されたが、その後はアメリカやヨーロッパ向けにアプリの準備を進め、またクラウドベースのアプリケーションのバックエンドの開発やハードウェア製作に時間をかけていた。

また、年末までにグルコメータからの情報を直接アプリに自動更新するコンパクトで携帯可能な Diabeto デバイスをローンチする予定だ。以下、糖尿病アプリを5つを列記した。

クラウド上に自分のデータを保存したいと思いますか? 意見を聞かせてほしい。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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