元アドウェイズ・インドネシアの高野勇斗氏率いるChapter8が、中国・アジア向け越境EC「Jselection」をローンチ

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2011年からアドウェイズ・インドネシアを立ち上げ、昨年9月に電撃退任を発表した高野勇斗(たかの・はやと)氏。彼の去就については、インドネシアのみならず、日本のスタートアップ・シーンでも注目を集めるところだったが、その全貌が今日明らかになった。

高野氏率いるスタートアップ Chapter8(チャプターエイト)は今日、中国や東南アジアを中心とする海外向けの日本製品越境ECサービス「Jselection」をローンチした。インターフェイスはモバイル向けに最適化されており、英語、中国語(繁体字・簡体字)、タイ語、インドネシア語に対応している。Geo-IP により、ユーザが商品の目安価格を自国通貨で見られるのも特長のひとつだ。

高野氏はインドネシアからの帰任後、日本のアドウェイズで Eコマースの中国向け転送サービス「楽一番」を担当。自身で Chapter8 を起業するまで約半年間にわたり、iPhone 6 や日本の化粧品などが配送されていくのを目の当たりにしてきた。一般的に、Eコマースの海外向け転送サービスが扱う商品のうち、Amazon からのものが9割を占めているのだそうだ。高野氏によれば、これは日本の Amazon のウェブサイトであっても、アメリカの SKU(最小管理単位)を基準としていて日本語の読めない海外客にも注文しやすく、反対に、日本のEコマースサイトに並んだ商品が海外からの需要に乗りにくいのは、商品が日本語のみで紹介されており、日本の SKU で管理されているからだ。

今回ローンチした「Jselection」では、商品をリクルートのEコマースサイト「ポンパレモール」から調達。商品説明についてもポンパレモールから取得して自動翻訳しており、中国やアジアのユーザが母国語で商品を閲覧し購入できる。配送や決済については、Chapter8 が対応し、リクルートは商品供給に加え、商品に関するメール問い合わせを各国語で受け付ける。将来的には、ポンパレモール以外にも商品の調達先を拡充する計画があるそうだ。

J Selection のスキーム
Jselection のスキーム

日本に戻ってきてからは原宿に住んでいます。毎日、竹下通りを通っていて感じたのは、女子高生たちをターゲットにしていた店がどんどん無くなっていき、看板が中国語や韓国語になっていること。竹下通りは爆買客であふれています。

竹下通りに多いクレープ屋を見ていても、英語の看板しか出していない店は客入りも普通だが、中国語や韓国語の看板を出している店には爆買客が殺到している。この現実に気付かないといけない。(高野氏)

Jselection はスマートフォン向けに特化して提供され、リスティング広告、Google AdWords、Baidu(百度)、WeChat(微信)を使ったマーケティングに加え、訪日観光客向けのアプリからの送客を想定しているそうだ。爆買の本場である中国のみならず、インドネシアを含む東南アジアの需要も射程に含めているのは、この地域に造詣の深い高野氏ならではの強みと言えるだろう。

この分野では、オンライン爆買アプリの「bolome(波羅蜜)」が、Baidu(百度)など中韓数社から10月末に3,000万米ドルを調達しているほか、ブランド品オークションサイト「スマオク」を運営するザワットが6月、日本やシンガポールの VC 複数社から総額2.5億円を調達している。

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Chapter8 の創業者兼CEO 高野勇斗氏

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