ネット印刷のラクスルがインドネシアの同業スタートアップPrinzioに出資し、東南アジアへ進出

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東京拠点の印刷アウトソーシングスタートアップ「ラクスル」の設立者でCEOの松本恭攝(やすかね)氏が今年の Tech in Asia Jakarta カンファレンスのホールを歩き回っている時、なんだか彼に違和感を覚えた。普段、彼や他の起業家が首にかけているパスが「スタートアップ」ではなく、「投資家」と書かれたものだったからだ。これは見間違いではなかった。

これまでに5,100万米ドル以上を調達し、日本におけるスタートアップの中でも最も多くの資金を集めた会社であるラクスルは今、日本国外に進出しようとしている。しかし松本氏の戦略は、他のアジア市場のローカル印刷スタートアップに投資、もしくは最終的には買収することである。ラクスルの最初のターゲットはインドネシアだ。

現在インドネシアには印刷のeコマースという選択肢がありませんが、消費者はそれを望んでいます。既存のプレーヤーは Kinkos のような物理的な店舗です。注文した品物を取りに行かねばならず、ジャカルタのような都市では交通渋滞が大変です。この『店舗スタイル』はアメリカ人や日本人が80年代、90年代に印刷していた方法です。(松本氏)

ジャカルタを拠点とする Prinzio は、2009年以来ラクスルが日本のために行ってきたことを、インドネシア向けに行おうと考えている。同社は、ユーザが最良価格を求めて値段を比較してオンラインで注文し、印刷物がユーザの玄関先まで配達されるよう従来の店舗とユーザを結びつけようとしている。同サービスの開始は1月を予定しており、最初はジャカルタを中心に提供される予定だ。

ラクスルは、East Ventures と共に Prinzio に対する40万米ドルのシード投資を主導する予定だ。

私たちは、自ら投資先を管理することができません。インドネシアに拠点が無いからです。ですから地元のVCパートナーが必要だったんです。東南アジアで活動している、いくつかの日本のVCに私たちを支援してくれるよう頼んでいるのは、こういう訳からなんです。(松本氏)

East Venturesは、全額に対して5万米ドルを投資する予定で、ラクスルは残りの資金を提供する予定だ。この投資によって、ラクスルは Prinzio の20%の株式を獲得することになる。

Prinzio の設立者で CEO の Riky Tenggara 氏は、Tech in Asia に次のように語った。

最初にすべきなのは、才能ある人材を雇用することなのは明らかです。資金の大半は運営と販売促進に費やす予定です。

Tenggara 氏は、aCommerce にシニアプロダクトマネージャーとして加わる前は、Lazada のビジネス開発マネージャーであり、ソーシング部門のヘッドであった。彼は、先月 Prinzio を設立した。

Tenggara 氏が Prinzio の売却を考えているなら、私たちが買収する可能性はあります。もし追加の資金が必要であれば、他の投資家から資金調達することも可能です。(松本氏)

主力商品は、名刺印刷ではない

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ラクスルは、つい最近2月に行われたシリーズCラウンドにおいて3,370万米ドルを調達し、松本氏によると、同社は1月か2月までには利益を出せるようになるという。

松本氏は、ラクスルが2016年末までに、さらに1つか2つの東南アジアにある印刷スタートアップに投資する予定であることを明らかにした。彼が参入を目指している他の市場としては、フィリピンとシンガポールがある。また、ゆくゆくはインドにも進出したいとしている。

ラクスルはIPOを目指しているのだろうか? 彼の口は閉ざされたままだったが、現在同社には十分な資金があるという。

現在ラクスルは、日本に100を超える印刷パートナーを抱えており、47都道府県すべて、そして遠く離れた沖縄県までを網羅している。Prinzio は既にジャカルタの6社と提携している。

彼は収益額について明らかにしなかったが、ラクスルが「名刺企業」であるというありがちな誤った考えに反して、最も人気のある印刷アイテムはチラシであると語った。彼らの収益の60%以上がチラシによるものである。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】