ケンブリッジ大学、人工知能が人間性にもたらす影響を研究するセンターを開設

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 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
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スティーブン・ホーキング博士がかつてBBCのインタビューにおいて、「人工知能が完全に進化すれば、人類の終焉がもたらされる」と語ったように、人工知能の発展に大きな資金が注がれる一方で、それが人間性や倫理に与える影響について憂慮する声も聞かれる。

そんな中、ケンブリッジ大学は12月3日、人工知能が人間性に与える影響を研究する「知能の将来のためのリーバーヒューム・センター」を開設することを発表した。1000万ポンド(約18億円)の資金は、非営利基金のリーバーヒューム・トラスト(Leverhulme Trust)からの助成金による。

センターを率いるケンブリッジ大学の哲学のHuw Price教授は「機械知能は今世紀を決定づけるテーマの一つだ。そして、このチャンスをうまく活用するという挑戦に、我々全員が直面している。だが、現在はその結果の善悪についての検討が始まったばかりだ」と語る。

同センターの研究にはコンピュータサイエンティスト、哲学者、社会科学者が参加して、人工知能が人間性に与える影響について、技術的、実用的、哲学的な研究を進める予定であるという。

また、スカイプのコーファウンダーJaan Tallinn氏が出資しており、気候変動、疫病、戦争、人工知能といった人間性の未来に関わる新しいリスクについて研究することを目的にする人類絶滅リスク研究センター(CSER)とも協力していく予定。

ケンブリッジ大学の情報エンジニアリングのZoubin Ghahramani教授も次のようにコメントしている。

「機械学習はすさまじい速度で進化している。機械は認知タスクにおいて、人間に近い能力を今や発揮できる。画像認識から言語翻訳、自動車の運転に至るまで。私たちはこの潮流がどこに進んでいるのかを理解し、機械の知能に関する研究が今後も人間性に利益をもたらすことを確実にしなければならない」

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