自分のスマホから知らない人の声が次々聞こえてくる、トランシーバー風リアルタイムSNS「キャストルーム」

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トランシーバー風リアルタイム音声SNS「キャストルーム」
トランシーバー風リアルタイム音声SNS「キャストルーム」

予定が入らず、家でひとりで過ごす夜。なんとなく人恋しくなったり、寂しくなったりすることが誰にもあるはず。そんな時、自然と人が集まってきて、たわいもないおしゃべりができる場所。それが、先日そのAndroid版がリリースされた「キャストルーム」です。

キャストルームは、5秒の「声」を共有しあえるリアルタイムのSNS。ユーザー登録をしたら、サービス上の同じ「部屋」にいる不特定多数のユーザーと、5秒間までの音声をやり取りすることができます。マイクボタンを押して話す感覚は、ちょっとトランシーバーのよう。今年の夏にはiOS版が先行リリースされており、現在のユーザー数は400名強。アプリ上の総発言数は、35,000回を超えています。

聞くだけでも参加してもオーケーな、ゆるい繋がり

Cast-Room-flow

テキストに比べると、音声はより親密なものという印象があるものの、部屋という場を設けることで、まずは人の声を聞くだけでサービスが成り立つように設計されています。ただ部屋に参加して、次々に流れてくる声に耳を傾けるも良し。自ら発言しても良し。キャストルームは、濃くもゆるくも使うことができます。サービスとの距離感の取り方は、ユーザー次第です。

部屋に入ると、声は古いものから順に聞こえてきます。言いたいことがあれば、スマホのマイクボタンを押して話す。ユーザーが自分でテーマを設けて部屋を作る以外にも、キャストルームがあらかじめ用意したテレビ局に対応した部屋も。今、そのチャンネルを見ている人が部屋に参加することで、同じ番組を見ながら発言し合い、盛り上がることができます。

キャストルームを手掛ける久田亮さんは、5秒の音声にこだわる理由をこう話します。

「既存のプッシュトークのサービスには、長いものだと100秒も録音できるものもあります。言いたいことが多い場合、また歌などが投稿できるメリットはありますが、「会話が流れる」という現象は起きにくく、一方的に聞くことになってしまいます。5秒間と、一つ一つの音声を短くして連投できるようにすることで、部屋がより盛り上がるようにしました」

ありものでは満足できず、自ら改良サービスを開発

キャストルームを手がける久田亮さん
キャストルームを手がける久田亮さん

久田さんは、もともとポーランド発のボイスチャットアプリ「CB Radio Chat」を活用していました。ところが、残念なことに日本にはユーザーが数えるほどしかおらず、また、もっと良いアプリが作れるはずだと考え、自ら同じジャンルのアプリを手掛けることに。外部のフリーランスエンジニアなどと共にサービス開発を行っています。

アプリのAndroid版が登場したことで、以前に海外アプリを一緒に使っていた仲間もキャストルームに少しずつ参加してくれています。自分がいる部屋に参加者が少なくて寂しい場合は、部屋ごとに発行されるURLを使って他SNS(TwitterやLINE等)などで呼びかけて、ユーザーを招待することが可能。ユーザーは、URLをタップすることで直接その部屋に参加することができます。

「既存のSNSはテキストが大半ですが、本当に寂しい時って、テキストでは紛らわすことができないと思っています。僕自身が以前、半年間引きこもっていたことがあり、当時、しゃべる相手が本当にいなくて辛かった。かと言って、1対1の通話はハードルが高い。いろいろと考えた結果、5秒の声を使ってゆるく繋がるというキャストルームの形にたどり着きました」

音声が次々に流れる臨場感をうまく表現する円状のUI

Cast-Room-list-of-rooms Cast-Room-circle-UI

寂しくなった時、思いたった時にふらっと参加してもらうため、キャストルームには履歴やログの機能がありません。発言した内容は一切残らず、後から再生することもできないため、その時に思ったことを素直に発言することができます。もし、あまり発言を聞きたくない特定のユーザーがいれば、その人をミュートすることも可能。また、仲間とだけやり取りしたい時は、部屋にパスワードをかけられるプライベート機能も。

キャストルームを開発する上で久田さんが最もこだわったのは、音声で会話する「ストリーム画面」のUIです。現在、このUIは特許を出願中です。左側が過去の発言で、右側が未来の発言と、時計のような形でユーザーのアイコンが並び、一番下に来たアイコンの音声が再生される仕組み。見た目が面白くて楽しいという特徴だけでなく、ライブ感を出すことにも繋がっています。

でも何より、このUIの最大のメリットは、中央の空白なスペースです。今後は、この余白をさまざまな形で活用することを検討しています。

「マネタイズを考えるなら、例えば、広告を置いても良いと思っています。将来、音声に加えて動画も投稿できるようにすれば、中央にその動画を流すこともできる。または、効果音やセリフつきのスタンプといったものを表示しても良いですよね。いろいろな可能性があると思っています」

スマホから、全く知らない人の声が次々に流れてくる

今後は、継続率アップへの貢献が期待されるプッシュ通知機能の搭載を予定しています。ユーザーは、お互いにお気に入りに登録してる相手を、プッシュ通知で部屋に呼ぶことができるように。また、「今ならお気に入りのユーザーが何名集まっていますよ」といった具合に働きかけることで、部屋を盛り上げる工夫をこらしていきます。

キャストルームが掲げる目標は、日本国内のスマホ人口の10分の1くらいに使ってもらうこと。その先は、海外もターゲットに見据えています。例えば、日本人はあまり好んで使わないボイスメールも、海外では広く許容する傾向が見られるため、実は海外ユーザーの方が相性が良いのではないかと見込んでいます。

「全く知らない人の声が、自分のスマホから次々に流れてくる。この現象自体がすごく面白くて、刺激的だなと思っています。ツイキャスやニコ生などに慣れている世代には、とっつきやすいサービスかなと。資金調達も視野に入れてサービスを強化していきたいです」

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