調達額は約10億円、導入社数100社超の「B→Dash」運営フロムスクラッチがGB他から資金調達

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マーケティングプラットフォーム「B→Dash」を提供するフロムスクラッチは11月30日にグローバル・ブレイン、電通デジタル・ホールディングス、日本ベンチャーキャピタルのそれぞれが運営する投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達した資金は総額で約10億円、払込日や引受株式の割合等の詳細は非公開。

同社の資金調達は今年5月に実施した総額約3億円(引受先はDraper Nexus Venture Partnersと伊藤忠テクノロジーベンチャーズ)に続いて2回目。同社は調達した資金を元にビッグデータ・人工知能関連の開発を推進するための人員強化、およびSMB(スモールビジネス)向けの市場開拓とサービス機能強化に努めるとしている。

同社代表取締役の安部泰洋氏によれば、今回の調達はマーケティング・オートメーション市場の活況が後押しとなって実現したという。また、同社が提供するマーケティングプラットフォーム「B→Dash」の導入社数が100社を超えたことも教えてくれた。

「今年の5月に調達を実施した際、次の(調達)ステップは来年ぐらいに計画していたんです。ただ、この分野のビジネスが活況になっていることと、何より自分たちが予想以上に伸びていたんですね。こうなると誰が天下統一するかということになりますから早めにやろうということになったわけです」(安部氏)。

以前の取材で対象となるクライアントはデジタルマーケティング予算が毎月で300万円から500万円の案件を組める大型のものが対象となっており、月額費用についても最低金額が50万円から(12カ月契約でこの他にPVによる従量課金がかかる)ということで決して安価なサービスではない。

にもかかわらず、サービス開始から約1年で100社が導入しているのは素直にサービスがマーケットに対して合っていたと見るべきなのだろう。既に単純に計算して年間で6億円以上の売上を生み出している。競合については海外勢のMarketoやHubSpotあたりが比較対象に上がることが多いという話だった。

「提案する先によく説明しているのは、24時間365日営業が稼働しているような仕組みを提供できる、ということです。そういった人員を一人雇うか、ツールを使うか選んでもらっている感じですね」(安部氏)。

好調の一方、前回の取材でも書いた通り、一件あたりのコンサルサポートが手厚くなればなるほど、事業のスケールに問題が出てくる。その点の解決方法として彼らが着目しているのがビッグデータと人工知能だ。

ざっくり言ってしまえば、現在彼らのコンサルタントがサポートしているような内容を、大量のデータからパターンを割り出し、システムで置き換えてしまおうという方法になる。

安倍氏曰く、マーケティングオートメーションの対象となる市場はそこまで大きくなく、今後はこのシステムをいかに自動化してこれまで利用することができなかったスモールビジネス領域に入っていけるかが勝負になるという話だった。

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