ブラジル・サンパウロに拠点を置き、スタートアップと投資家をつなぐプラットフォームを営む「Fundacity」が、昨年のアジア太平洋地域で実施されたアクセラレーションに関する統計をインフォグラフィックにまとめ発表した。これは同社が今年4月に発表した、南米地域のアクセラレーションの統計インフォグラフィックに続く第2弾だ。
それによると、アジア太平洋地域のスタートアップ・アクセラレータ36社によって、スタートアップ334社に投資がなされ、その総額は922万ドルあまり(約11億円)。アクセラレータから投資を受けたスタートアップが最も多いのはオーストラリア、投資総額で最も多いのはインドで、日本については、アクセラレータから投資を受けたスタートアップは13社、投資総額は54万ドルとされている。
アクセラレータ別に投資金額が多いところを上から順に並べてみると、インド・アーメダバードの CIIE、中国・深圳のハードウェア専門アクセラレータ HAX(旧:HAXLR8R)、以降、オーストラリアの BlueChilli、韓国の Primer、日本の Mistletoe、シンガポールの JFDI などが続く。これらのアクセラレータからどのようなスタートアップが輩出されているかは、THE BRIDGE ではデモデイの様子をカバーすることで紹介している。
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興味深いことに、アクセラレータがらが集中してゆきたいとする投資分野で、IoT がモバイルや Eコマースを上回っている点だ。2014年と言えば、テクノロジー特化や形のある(tangible)プロダクトへのフォーカスが始まった年であり、その傾向が如実に反映されたものと言っていいだろう。
最後にこのレポートは、この地域のアクセラレーション事情について、次のような分析を残して結んでいる。
アクセラレータは、伸びゆく起業家文化を背景に、新興系のベンチャーキャピタルによるシードやプレシード投資の新しい形と見られるようになりつつある。公的機関が支援したいと考える分野だ。アクセラレータは初期投資、メンターシップなど、起業家が新しいベンチャーを立ち上げる支援を提供する。
アジア・オセアニア地域のアクセラレータは、Y Combinator や Techstars に代表される欧米のアクセラレータのモデルをベースにしてきたようだ。アクセラレータの多くが2012年以降に立ち上がったこの業界では、現在も新しい動きが生まれ続けており、彼らがアメリカから輸入したアクセラレーション・モデルを自らの市場に適用するにつれ、さらに興味深い進化や発展が期待できるだろう。
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