
韓国で中小企業向けに融資や投資を行う韓国産業銀行(KDB)と中小企業銀行(IBK、KSE:24110)は今週、韓国のスタートアップに国外のベンチャーキャピタルが投資することを意図したファンド「Global Partnership Fund 2号(GPF2)」を組成したことを発表した。ファンドの規模は1,000億ウォン(約105億円)。
このファンドは、韓国国内のファンドに対して投資する「fund of funds」の形で運用され、投資を受けた子ファンドは約定総額の50%以上を韓国国内のスタートアップや中小企業に投資する必要がある。GPF2 の運用を受託する KDB 傘下の産銀(サンウン)資産運用は11月27日、出資対象となる子ファンド運用会社を選定した。これらの運用会社は来年6月までに、総額3,500億ウォン(約370億円)規模のファンドを組成する計画だ。選定された運用会社は、グローバル・ブレイン(日本)、Nautilus Venture Partners(アメリカ)、Red Badge(アメリカ)、Translink Capital(韓国)、IDG Capital Partners(中国)の5社。
昨年800億ウォン(約84.5億円)規模で組成された1号ファンド(GPF1)は、アメリカ・イギリス・香港のベンチャーキャピタルを含む5つの運用会社により、総額3,700億ウォン(約390億円)規模の子ファンドが組成され運用が続けられている。
GPF2 は韓国スタートアップのグローバル市場参入を意図して運用されており、この背景には、例えば、韓国のカーナビアプリ・スタートアップ「KIMGISA(김기사)」がダウムカカオに約70億円で買収されたのに対し、イスラエルのカーナビ・スタートアップ「Waze」が Googleに 13億ドル(約1,600億円)で買収されており、この企業評価額のギャップからグローバル市場に進出することの重要性を、韓国の投資家や起業家が痛感しているとされる。
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