ごまかし仕事に惑わされるなーースタートアップがYCプログラム参加後に陥るスランプとその乗り越え方

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<Pick Up> The Post YC-Slump

19歳で共同創業した「Loopt」がY Combinatorに支援され、2012年にGreen Dotに売却。現在は、Y Combinatorのプレジデントを務めるSam Altman氏のブログ記事をピックアップしてみました。

YCのプログラム終了後、その中の25%ほどが数十億ドル規模の企業になる見込みがあるいうのが、パートナー間の認識。実際にそのレベルにたどり着くのは、ほんの一握り。多くのスタートアップは、YCのプログラム参加中に素晴らしい成長曲線を見せてくれる。

ところが、プログラムが終わって数ヶ月もすると、伸びがピタッと止まり、直線状態に陥る。それは、これらの企業がYCでやっていたことを止めてしまうから。素晴らしいプロダクトを開発し、成長することに取り組むことのではなく、それ以外のことに時間を割く。また、同期のスタートアップに囲まれるプレッシャーから逃れると、ハードワークや効率も鈍る。

「長期的な戦略に立って動いている」、「技術的負債をクリーンアップしている」など、彼らの言い訳は尽きない。実際に何が起きているかというと、彼らは、fake work(ごまかし仕事)に惑わされている。最も多いのが、資金調達と個人のメディア露出。将来を約束されていたファウンダーがこの両方、またはどちらかに熱を上げる姿を繰り返し目にしてきたが、それはほぼ毎度悪い結果に終わる。

スタートアップにとって、モメンタム(勢い)が全て。スタートアップが死守すべきは、このモメンタムを持ち続けること。そして、本当の仕事にだけ注力すること。ユーザーが愛してやまないプロダクトを開発し、目標成長率を達成し続ける。責任を問うてくる役員や仲間で周囲を固め、一番大切なこと以外に注ぐ時間を必死にとどめる。ごまかし仕事にとらわれないためには、とあるタスクが成長にどれだけ直接的に関わるかを常に問うことだ。

最良のスタートアップは、YCを卒業した後も、何一つ変わらず同じことを続けていく。実に簡単で当たり前のことにように思えるこのことを、実際にやるファウンダーは意外にも少ない。ファウンダーにとっての朗報は、これが努力すれば実現可能だということ。もし、これを全てのファウンダーが実行できれば、スタートアップの成功率は倍増するだろう。

via. Sam Altman

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