靴の新デザイン発掘プラットフォーム「ROOY」が日本上陸、パルコと組んでクラウドファンディングを開始

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2015.12.29

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ユーザが思い思いのデザインで、ハンドクラフトを制作し販売できるマーケットプレイスが、今年も数多くお目見えした。シャツ、スマートフォンカバー、ファッションアクセサリーといった身につけるアイテムの多くが自由にデザインできるようになった現在、需要がありながらも未踏の分野は靴かもしれない。

先週、シアトルを拠点とする靴の新デザイナー/ブランド発掘プラットフォーム「ROOY」が、ファッション小売大手のパルコと組んで日本に初上陸を果たした。ROOY は日本上陸キャンペーンを展開しており、同社で発掘した3つのブランド「KO-JD Loafer(アメリカ)」「gett.(ブラジル)」「haiku(メキシコ)」を選び、パルコのクラウドファンディングサイト「BOOSTER」でプリオーダーを受け付けている。プリオーダーは2016年2月末まで受け付けられ(本稿執筆時点で既に目標額達成済)、これら3ブランドの靴はパルコ店頭などでも販売される予定だ。

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日本向けに選ばれた3つのブランド。左から「gett.」「KO-JD Loafer」「haiku」

ROOY を創業したカン・ヒスン(강희승、英語名:Ryan Kang)氏は、韓国で数十年続く靴製造下請け会社のファミリーに生まれた。彼はかねてから、韓国の靴製造業界が、世界的な靴ブランドから製造を受託する一大産業であるにもかかわらず、常に黒子的な存在であることに問題を感じていた。世界の靴ブランドにあって韓国の靴製造下請け会社にないもの——それは、デザインとマーケテイングだった。

コーネル大学のビジネススクールを卒業後、彼は友人らとともにサンフランシスコで ROOY を設立。もともとはシューズデザインのクラウドファンディングサイトだったが、シューズデザイナーやブランドを発掘するプラットフォームという位置付けにピボット。先ごろ、本拠地をシアトルに移転し、アメリカ・日本・韓国の靴小売市場に本格的な参入を始めた。

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ROOY CEO カン・ヒスン氏

ROOY では年に2回、春夏と秋冬で新しいデザインを募集しており、現時点で世界中から約1,200件のエントリがあります。従来のクラウドファンディングサイトと異なるのは、投稿者はデザインの制作に集中してもらえればよく、製品化・製造・販売を ROOY が担当する点。

ROOY 社内にシューズデザイナーがいるので、材質をどのようにするのか、インソールの質感をどのようにするのかなど、製品に至るまでのプロセスは、デザイン発案者である投稿者と、シューズデザイナーで相談をしながら決めていきます。投稿者には、靴のデザインに関する専門知識も不要です。

オリジナルデザインのTシャツなどを作るのと勝手が違うのは、靴はデザインによって、使う材料も違えば、縫製や加工のプロセスも全く違ってくる点だ。ROOY では年間500万足の靴を製造できる製造会社 SGX と提携、デザインの多様性からスニーカーの扱いが多いものの、ヒール以外はどんな靴でも取り扱っていくのだそうだ。

「BOOSTER」上でのクラウドファンディングとあわせ、ROOY では2016年秋冬シーズンの新デザインを大晦日いっぱいまで受け付けている。腕に自信のある読者におかれては、年末の時間を使ってぜひ新デザインをエントリしてみてほしい。

日本のパルコや韓国の GS Shop のほか、ROOY では世界の小売チェーンとの提携を進めており、ROOY から生まれた新しいシューブランドが、オンラインのみならず街角でも入手できるようになる日は遠くないだろう。ROOY ではまた、世界ブランドのデザイナー発掘も支援しているとのことで、エントリした新デザインが世界ブランドに登用される可能性もある。

ROOY は2015年9月、シードラウンドで韓国の Formation 8Korea Investment Partners(한국투자파트너스) から340万ドルを調達している。ROOY のユーザ(デザイナーと購入者)は世界中に点在するとのことだが、日本は重点市場ということで、流通チャネルの開拓と資金調達に精を出しているとのことだ。

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