イーロン・マスク、ピーター・ティールなどテック界の大物が人工知能研究ラボ「OpenAI」に10億ドルを提供

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via Flickr by “Jiuguang Wang“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Jiuguang Wang“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

テック界を代表する人物たちが共同で、10億ドルを新しく立ち上げられた非営利の人工知能リサーチ企業「OpenAI」に投入することを本日発表した(編集部注:原文掲載12月11日)。

ブログによると、Y Combinator のプレジデント、サム・アルトマン氏、Stripeの元CTO グレッグ・ブロックマン氏、TeslaとSpaceXのコーファウンダー、イーロン・マスク氏、LinkedInのコーファウンダー、リード・ホフマン氏、Y Combinatorの創業パートナー、ジェシカ・リビングストン氏、ベンチャーキャピタリストのピーター・ティール氏、クラウドマーケットのリーダーであるAmazon Web Services、コンサルティング企業 Infosys、最近立ち上げられた YC Research Lab が今回の取り組みに参加している。

「私たちのリサーチは金銭的な義務を負っていないため、ポジティブな人間への影響により注力することができます。AIは人間の意志の延長であるべきだと考えます。自由を認める精神の元、安全に幅広くかつ平等に分け与えらえるべきだと考えます」

今回の取り組みは、社会における人工知能のポジティブ、かつネタティブな影響についての議論の中で立ち上がりつつあるものだ。マスク氏アルトマン氏ビル・ゲイツ氏、またその他のテック業界を代表する人々は、FacebookGoogleMicorosoftAppleなどの企業がAIテクノロジーの確立とその人材の確保への取り組みを進める中で、意見を示している。

GoogleのリサーチサイエンティストであるIlya Sutskever氏が Open AIのリサーチディレクターを務める予定だ。ブロックマン氏はCTOを務める。スタンフォードの博士課程の学生でGoogleで二度インターンの経験があるAndrej Karpathy氏も加わる。AIの権威、Yoshua Bengio氏はアドバイザーを務める。

ブログの発表によれば、同組織は研究の結果を公表し、また他の組織とも協働したいと考えている。

スティーブン・レヴィによるMediumのBackchannelの記事によれば、イーロン・マスク氏は次のようにコメントしている。

ご存知の通り、私はAIについての懸念を以前から抱いていた。サム、リード(ホフマン)、ピーター・ティールやその他の人々と多くの会話を交わした。私たちは考えていた。「AIの開発が利益をもたらす形で進展することを確かにする、もしくはその可能性を高める方法はあるだろうか?」と。何度も議論を重ねた結果、501(c)(3)、つまり利益を最大化する義務をもたない非営利組織をつくることが良いだろうという結論にいたった。そして、私たちは安全性をとても重視するつもりだ。

また、哲学的に重要なポイントがある。つまり、私たちはAIを広く普及させたいと考えている。多くのAIが必要だ、いや少ない数でも良い、という二通りの考え方があった。私たちは、おそらく多いほうが良いだろうと考えた。また、個人の人間の意志の拡張として関連付けられることができれば良いだろうと思った。

アルトマン氏は、OpenAIによる非営利の仕組みの利点について、AIへの投資を強めているGoogleと比較しながら、強調している。

「私たちはGoogleのように利益を追求する企業ではないので、株主の利益を高めることに集中する必要がありません。人間性の将来について最善だと考えることに集中することができるのです」とMedium Backchannelの記事でアルトマン氏は述べている。

Asana、Hashicorp、Quipといったスタートアップは、OpenAiのチームメンバーが使えるツールを無料で提供する。

それから、OpenAIは人材を募集中だ!

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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