
数ヶ月ものあいだ身を削って働いた後、開発者はあることに気づく。「すごいぞ、次のFlappy Birdになるかも!」後はゲームを完成させて、お金がただ入ってくるのを夢見るのだ。
しかし、実際お金がどんどん入ってくるということはほとんどないだろう。
マーケティング、ローカライズ、カスタマーサービスが平均的なゲーム開発者がやっている最優先事項であるというわけではない。
日本のゲーム企業セガのモバイル部門、セガネットワークスがシンガポールの goGame に数百万米ドルを投資したと新しいオフィスイベントで木曜日(12月3日)に発表された。
正確な投資額は明らかにされていない。
日本の有名なアーリーステージ向けVCであるインキュベイトファンドも参画している。
新しいオフィスのローンチパーティで CEO の David Ng 氏は次のように語った。
私は周りにおかしいと言われています。3年半かけて Gumi を世界的なゲームにまで築き上げた後、辞めたことです。どうして辞めたのか、まともな人なら辞めないでしょう? とよく言われました。しかし、私は自分がどこまでできるのか周りの皆さんに示したいのです。
Ng 氏はどうやって自分の会社に何百万米ドルも投資してもらうようセガを説得したのだろうか?
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goPlay
主力製品は goPlay だ。無料出版システムで、開発者はゲームのローンチ、マーケットおよびサポートに必要なサービスをドラッグ&ドロップで可能にしてくれる。
goGame は10分で SDK(ソフトウェア開発キット)をゲームに組み込むことができ、問題解決や更新、ゲームのローカライズ、顧客管理、グローバルマーケティング、決済など年中無休の運営を行える。
ある会社が単独で SDK を複製しようすると、プロセスは状況にもよるが何ヶ月もかかることだろう。
ほとんどの開発者は、何が市場にあるかわからないのです。彼らは取引の方法を知らないですし、グローバルな運営チームの管理方法も知りません。つまり、彼らはこれまで自分たちで行って失敗してきたのです。私たちと取り組むことで、皆が成功するためにその可能性を高めるお手伝いをすることができます。これまでもそうしてきましたから。(Ng氏)
goGame には決済ゲートウェイ、ダッシュボードデモ、支払アドユニット用のSDKがある。
さらに、goGame 側のメリットとして、セガのマーケティング製品「Noah Pass」を東南アジアに提供することができる。
Noah Pass
2015年2月のセガサミー(セガの持株会社)会議資料によると、Noah Pass は日本におよそ9000万人のユーザを誇るクロスプロモーションネットワークだ。この数字のすごさは、日本の人口が1億2,700万人であることを考えればわかるだろう。
goGame は日本国外にこの製品を展開していく中心的な存在になるだろう。
Noah Pass は開発者向けには無料で、プラットフォームに彼らのゲームを組み込むことによって何百万ものユーザ向けに製品を提供できる。
購入前にお試しを
おそらく最もクールな機能は、Ng 氏が身振り手振りで明らかな興奮を示してくれた 1App というモバイル広告ダッシュボードだ。これはユーザが購入前に広告付きでゲームを試せる機能だ。
「モバイル広告の過熱ぶり」の問題は、ゲーマーに限ったことではない。
携帯電話を持っている人ならこの痛みがわかるだろう。ゲームは面白そうだ。もしかしたら Uber みたいなアプリかもしれない。クールな動画だし、かっこいいスクリーンショットだ。しかし、実際にダウンロードして10分もすればそのゲームは最悪だったとわかる。
1Appは、ソースコードに触れることなく、開発者が潜在的顧客の携帯でデモ動画を再生できるシリコンバレー技術を東南アジアにもたらしている。
昨晩のgoGameのイベントは明らかに盛況だったが、次の段階はゲーム展開、つまりセガのモバイルゲームエコシステムを東南アジアへ普及させることである。
セガの社長兼 CEO 里見治紀氏は、イベント会場で次のように語った。
セガゲームスをシンガポールにローンチする代わりに、私たちは goGame と共に取り組んでいくことに決めました。この市場には巨大な可能性が期待されています。しかし、goGame だけがセガゲームスを展開できるのか? goGame も他でゲームを配信できるよう支援をし、ゲーム経験を提供して展開するソリューションを創造するべきです。他の開発者が世界中の人々にゲームを配信するのを支援していきたいのです。
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