共創ものづくりプラットフォーム「Wemake」が富士ゼロックスとオープンイノベーションプロジェクトを始動

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共創ものづくりプラットフォーム「Wemake(ウィーメイク)」を開発、運営するA(エイス)が、富士ゼロックスとのオープンイノベーションプロジェクトを開始した

次世代ソリューションやサービスに向けたコンセプト開発を支援するため、エンドユーザーから広くアイデアを募集し共に創りあげる狙いだ。Wemake は、メーカーが生活者と商品を共創できるものづくりのオープンイノベーションプラットフォーム。富士ゼロックスは、今回のプロジェクトで初めて同サービスを利用する。

富士ゼロックスは、顧客の課題解決を支援するソリューションやサービスを提供する企業として取り組みを続けてきた。だが、時代の変化が加速する中で、顧客の最良のパートナーであり続けるためには、解決策を共に創る活動も加速し続ける必要があった。同社は、そのための一つの方法として顧客の声を直接聞く方法を模索していたという。

そんな富士ゼロックスが注目したのが、「Wemake」だった。富士ゼロックスの担当者は、クリエイターによる投稿コンテンツ質の高さや投稿の量の多さ。そして、進行中のプロジェクトに対して投稿されている作品を見て、完成度の高さに驚いたそうだ。コンペではなく、テーマ提供者と共に創るプロセスやその過程で形成されるファンコミュニティにも魅力を感じた富士ゼロックスは、今回の提携へと至った。

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「富士ゼロックスが提供すべき新しいコミュニケーションのあり方を、既存事業にとらわれない、自由でクリエイティブな発想で明確化できればと考えています。また、今回のWemakeとのプロジェクトを通して、これまで接点のなかったお客様との継続的な関係性や富士ゼロックスファンを増やしていきたいと思っています」

そう富士ゼロックスの担当者は語る。エイス代表取締役山田歩氏は、今回の提携に関してこのようにコメントしている。

山田氏「ひとくちに生活者とのオープンイノベーションによる商品開発といっても、「社外の視点に基づく新しい商品企画を集める」という局所的な観点で行われがちです。しかし、共創やユーザーイノベーションを効果的に活用するためには、中長期的に生活者と関係性を築くことが重要であると同時に、社内にオープンイノベーションについての理解を広め、社員と生活者が積極的に交わる文化や場を設けることが重要です」

エイスは今回のプロジェクトにおいて、生活者が集まるコミュニティとメーカーが、中長期的に良好な関係性を築けるような仕組みづくりにも力を入れてきた。富士ゼロックス全体のプロジェクトとして、役員を含む多くの社員が事業部をまたいで参画しており、オンラインのみならず、ワークショップなどオフラインでも様々な機会を設けて、エンドユーザーと共創する体制になっている。

山田氏「大手メーカーがオープンイノベーションに取り組むうえで、外部のクリエイターコミュニティとどうつきあうか?」という点も重要な点です。この点に対しては、例えば知的財産権の帰属についても、出来る限りクリエイターに寄り添った条件になるよう、数ヶ月にわたって検討を重ねるなど、非常に真摯に取り組まれているところが、富士ゼロックスの凄いところだと感じます」

Wemakeはオンラインでの商品企画をメインに行ってきたが、今回の富士ゼロックスとのプロジェクトや、12月21日から開始予定の大手電機メーカーとの開発プロジェクトを皮切りに、ワークショップ、ラピッドプロトタイピング、フィールドテスト、行動観察等のオフラインでの活動もサービスメニューとして提供していく予定だ。そうすることで、エンドユーザーが求める商品を、迅速にクライアントメーカーが開発できるようなサービス拡充を図る。

山田氏「今月末には、王子製紙子会社と進めてきたダンボール家具プロジェクトからWemake第一号製品の発売が決定しており、その他自社開発製品等についても商品化の目処が立ってきています」

そう山田氏は「Wemake」への手応えを語ってくれた。

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