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<ピックアップ>The top 10 trends of CES 2016
ラスベガスで今月上旬に開催された家電見本市のCES。コンシューマ・エレクトロニクス分野では世界最大規模であり、すべてを見尽くすのは相当な体力が必要だ。VentureBeatのベテラン記者ディーン・タカハシ氏は開催期間の4日間、展示会場を歩きまわり、その歩数は合計で7万3376歩にもなった! 展示会場を歩きまわって、最新の家電やデバイスを見尽くしたタカハシ氏が考察する「CES 2016のトレンド」を一部、抄訳でご紹介したい。
IoT が実用的になりつつある
昨年、一昨年から、なにかと話題になることの多いIoT(モノのインターネット)。なかなか手頃な値段の実用品が出てこなかった状況が変化しつつあるようだ。Intelやサムスンなどのメーカーはより高性能のパーツを低価格で製造できるようになっている。Intelによれば、Curieに埋め込まれたチップは10ドルもしないという。ムーアの法則がこの分野でも効いているのだ。
テクノロジーもよりスマートに。Cypressはセンサー入力ができて現場で動作する、バッテリー無しのプロセッサーを考案。スマートなデバイス同士をつなげるプラットフォームとして、パナソニックはOraというIoTプラットフォームを発表した。サムスンも同様のコンセプトのものとしてSmartThings platormを開発している。CES 2016では、参加企業3800社のうち900社が IoT製品を開発していた。IoTのエコシステムは巨大に、そしてより良いものになっている。
サムスンの開発したスマート冷蔵庫「Family Hub Refrigerator」のような実用的な製品も登場し始めている。スマホのアプリから冷蔵庫の中を見ることができ、パートナーの小売店からクレジットカードによる決済で食料の注文もできるといった機能が備わっているものだ。
VRによってデジタルアートが一変するかも

Image Credit: Oculus
バーチャルリアリティの恩恵をもっとも受けるのはデジタルアートの分野になるだろう。たとえば、Oculus VR が見せたVR用のお絵描きアプリであるMedium は、まるで自分がつくっている3D彫刻の中にいるかのような体験をもたらしてくれる。バーチャルな手を通して、彫刻や絵画などをつくることができるアプリだ。HTC Viveもまた、GoogleからTiltbrushというお絵描きアプリを出している。デジタルな空間に入って、自分の手で絵を描けるアプリだ。
家電が抜本的に変化
これまでの機能が大きく変化した家電をいくつか目にした。たとえば、Marathon Laundryのサイドローディング(側面にドアがあるもの)洗濯機は、洗濯と乾燥を1つのサイクルでできる。ネットにもつながる。サムスンも AddWashというサイドローディング洗濯機を出している。AddWashは洗濯がスタートした後でも、入れ忘れた服を追加することができる。LGの洗濯機は、自動的に適量の洗剤を注いでくれる。
スマホのイノベーションはそれほど進まず
スマートフォン業界の企業はCESではなく、Mobile World Congressに参加する傾向にあるものの、それでもCESのような巨大見本市であるにも関わらず、新しいスマートフォンを目にすることがとても少なかった。見かけたのは、複数ネットワーク、複数SIMのついたスマホ。また、より速いデータ転送が可能なUSB Type-Cのコネクタのついたスマホが中心だった。
レトロの復活

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レトロの復活。テック好きのベビーブーマー世代が年を重ねるにつれて、このトレンドは大きくなっている。ポラロイド、ソニー、パナソニックはレコードプレーヤーをCESで展示した。パナソニックは Technicsシリーズを2014年に復活させ、クラシックなスタイルのレコードプレーヤーを販売している。ソニーも同様。このレトロへの回帰傾向は、今回のCESの至る場所で見られた。
ドローンは極端に進化

Image Credit: EHang
ドローンの進化は目覚ましい。水中の魚を見つけられるドローンもあれば、中国のメーカー EHangが開発した「人が乗れるドローン」 EHang184まであった。
2016年には290万のドローンが米国内で販売されるだろうと、コンシューマーテクノロジー協会は予測しており、2017年には売り上げ成長率は53パーセントになると予測される。こうした数字も、CESでの目覚ましいドローンの進化を見たあとでは信じられるものだ。
全文はこちらから。
via. VentureBeat
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