<ピックアップ> A Guide to Seed Fundraising
シリコンバレーのアクセラレータ Y Combinatorのメディア「The Macro」では、スタートアップのファウンダー向けのノウハウや情報が発信されているが、最近の記事「A Guide to Seed Fundraising」もまた、シードラウンドで資金調達をするファウンダーにとっては有用な情報が満載だ。
そもそもなぜ資金を調達するべきなのか、どのタイミングで、いくら調達するべきなのか、調達方法にはどのような種類があるのか、投資家とのミーティングで何を気をつければいいのか、といったことが書かれており、資金調達について何も知らないファウンダーもこの記事を最初から最後までじっくり読めば、かなりの知識が得られる充実した内容になっている。
記事内で想定されるケースはシリコンバレーの状況が反映されているので(エンジニアの人件費など)、日本のVCから、日本市場に向けたプロダクトのために調達をする際には、そのまま当てはまらないこともある点には要注意。一方で、グローバルにローンチするべく、シリコンバレーの投資家からも調達をしたいと考えているファウンダーにとっては多いに参考になるだろうし、そうでなくても、参考になる点は数々あるはずだ。
特に記事末の「Appendix」に記載されている「資金調達の必須ルール」は、資金調達の際の心得が端的にまとまっていて、必見だ。その内容は以下のようなもの(一部)。
- 「資金調達をできるだけ早く終わらせて、プロダクトと会社の立ち上げに戻ること」
- 「とはいえ、資金調達をあまりに早い段階で終えないこと。調達が難しければ、挑戦を続け、生き残ること」
- 「YESの返事を得たら、ぐずぐずしないこと。早急に書類にサインしてもらい、銀行に振り込んでもらうこと」
- そして「自信と謙虚さのバランスをうまくとること。決して傲慢にはならないこと。」
資本政策は初期の段階で誤ってしまうと、のちのち修正することは難しい。なので、戸惑うことが多くとも、最初の資金調達の前にこうした資料を読みこんで、万全に備えると良さそうだ。記事末の参考文献リストも充実しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:
- 自己資本による経営とVCからの資金調達、両者を経験した私が得た3つの教訓
- VCはなぜ「良い」スタートアップに投資しないのか?ーーVCに「ノー」と言われる6つの理由
- 資金だけじゃない、ベンチャーキャピタルがスタートアップに提供できる価値とは?
日米の資金調達環境の違いについては、こちらの「日本でユニコーン(1000億円超の未公開企業)が生まれない理由、解説します【ウェビナー】」も参考になるかと思います。
via. The Macro
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待