店舗マネジメントツール「ClipLine」がSMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルらから9,600万円を資金調達

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飲食、アミューズメント、小売、メンテナンス、アパレル、フィットネス、美容など、店舗を通じて提供されるサービスのジャンルは多岐に渡る。こうした多店舗展開する企業が抱えるのが現場である店舗のマネジメントだ。

従業員の提供するサービスの品質維持し、向上させるための教育やモニタリングは、これまで「対面」で行われてきた。企業が成長し、店舗が増え、エリアも拡大すると、「対面」でのやりとりというのは重いコストとなる。教育のレベルにも差が生まれるようになり、マネジメントの質の低下を招いてきた。

本誌でこめまで何度か取り上げている「ClipLine」は、多店舗展開をしている企業が抱える店舗マネジメント上の課題を解決するために開発されたサービスだ。

「ClipLine」ではショート動画を通じて、これまで「対面」で行われてきた手作業・動作が多い業務に関する従業員指導を行い、企業内のノウハウを蓄積しながら他店舗にもノウハウを共有可能にした。

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「ClipLine」は、2014年10月にサービスをリリースして以降、吉野家、養老乃瀧、オートバックスセブン等の大手企業様から利用され、2016年1月末時点で約1,800店舗への導入が進んでいる。

成長を続ける同サービスを開発するジェネックスソリューションズは、SMBCベンチャーキャピタル、DBJキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルの4社がそれぞれ運営する投資事業組合を引受先とする、総額9,600万円の第三者割当増資を実施した。

ジェネックスソリューションズは、元々飲食店向けに経営コンサルティング事業を展開していた強みを活かし、「ClipLine」もトップダウンで導入を決めてきている。今回、大手金融機関のベンチャーキャピタルから出資を受けたことで、さらに導入を加速させる方針だ。

「クライアントとなる店舗は銀行から借り入れを行って事業を展開していることが多い。銀行はそのネットワークを持っているので、うまく活用して新規顧客を開拓していきたい」とジェネックスソリューションズ取締役の田中 信行氏は語る。

スタートでは、飲食店向けに提供されていた「ClipLine」だが、クライアントの業態は徐々に多様になってきている。利用のされ方にも幅が生まれており、たとえば美容系の企業では、営業マンが行うようなロールプレイングの練習に活用されているという。

営業トレーニング支援サービスとしても捉えられるとすれば、600万ドルを調達している「CommercialTribe」のような展開もあり得る。

いろんな可能性を感じる「ClipLine」は、まず今回の調達を経て足元を固めるべく、人材の採用を強化する方針だ。同サービスは導入にあたって、オペレーションの改善も必要になるため、営業兼コンサルタントのような人材が必要となる。

サービス自体もアップデートを視野に入れている。グローバルに展開する企業のニーズに応えて多言語展開を行ったり、コンテンツ数が増えた際に探しているコンテンツを見つけやすくするための検索機能の実装、さらにはスタッフのモチベーションを「ClipLine」を通じて高めるための機能の追加などだ。そのため、開発力の増強も必須となる。

現場のマネジメントに課題を感じている企業は多く、「ClipLine」をはじめ、マネジメントを改善するためのツールも複数登場してきている。その中で、ジェネックスソリューションズは頭一つ抜け出していくことができるのか、注視したい。

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