Technical Rockstars、バックエンド自動化/IoT基盤の「Milkcocoa」をクラウド関連のウフルに事業譲渡

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福岡を拠点とする Technical Rockstars は、バックエンド制御を自動化できるAPI「Milkcocoa」を開発している。5日、同社は Milkcocoa をソーシャルメディア/クラウド関連事業を展開するウフルに事業譲渡したと発表した。Technical Rockstars には「FLOWer」や「clooca」といった譲渡対象外の他事業もあるものの、CEO の部谷修平(ひや・しゅうへい)氏を中心とする創業者らは、今回のMilkcocoa 事業譲渡を機にウフルへの参加を表明しており、ウフルによる Technical Rockstars の買収ととらえることもできる。なお、Milkcocoa の譲渡金額については開示されていない。

Technical Rockstars は、2010年度に未踏ユースに採択され、IPA認定のスーパークリエータに選出された部谷氏らにより設立され、2014年8月に Milkcocoa をリリースした。Milkcocoa はフロントエンドを構成する HTML の中にスクリプトタグを1行追加するだけで、サーバ環境などバックエンドの制御を自動化できるプラットフォームだ。JavaScript で関数を書くだけで、データベースに関わる部分の処理が不要になる。

一方、事業譲渡を受けるウフルは、ソーシャルメディア事業を柱として2006年に創業。その後、主にクラウド関連サービスを主体に事業を拡大。2014年には、ソーシャルメディアや各種ウェブサービスを日本内外のクラウドサービスと容易に連携できる「enebular(エネブラー)」をリリースしており、2015年にはIoT関連事業を拡大すべく、セールスフォース・ドットコムと三井物産から5.2億円を調達している。

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(左から)Technical Rockstars CEO 部谷修平氏、CMO 川野洋平氏

Technical Rockstars CEO の部谷氏は THE BRIDGE に次のようにコメントを寄せてくれた。

リアルイベントを積極的に行い、IoTに興味のあるデベロッパー層に大きな支持をいただいている Milkcocoa ですが、今までの活動に引き続き、エンタープライズでのIoTも支える仕組みとしていきたいです。

今回の事業譲渡を受けて、Technical Rockstars の創業者らは、〝セールスフォース・マフィア〟入りを果たしたという表現もできる(ちなみに、現在の Milkcocoa は AWS さくらのクラウドの上で動いている)。Milkcocoa は昨年5月、IoT や M2M との親和性向上を狙ってバージョンアップを実施しており、IoT 関連事業の拡大を狙っていたウフルと目指す方向性が一致したことになる。

Technical Rockstars では、Milkcocoa の運営にあたり今後も基本方針に変更はなく、「思った通りのもの」を作れるサービスを維持し、無料プランについてもこれまで通り提供を続ける予定としている。

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