テクノロジーは、わたしたちの生活のさまざまなシーンにまで及んでいます。それは、故人を思って訪れる墓地にまで。数年前には、アメリカでは故人の情報がQRコードになって印字された墓石などが登場し、話題を呼びました。
エピソディコと P.PANEL が共同運営する「ピーパネル永代墓」は、故人のエピソードを保管する「クラウド墓誌」と、地震から墓石を守る「Pパネル免震構造」を備えたお墓です。埋葬されている故人のエピソードを保管するだけでなく、地震や地盤沈下から墓石を守ってくれるもの。
クラウド墓誌は、故人や墓石の情報をクラウド上に保管し、後世に遺すものです。故人の記録に加えて、戸籍謄本や過去帳、墓石のメンテナンス記録や生前契約書といった情報も保管が可能。QRコード化されたクラウド墓誌データを墓石や墓誌板に設置することで、墓参者はいつでも故人を偲ぶことができます。
エピソードをカタチに変えるWebメディア ”Episodico” を運営するエピソディコが、故人のエピソードをクラウド墓誌に保管。200基に及ぶ墓石への免震構造施工実績を持つ P.PANEL が、Pパネル免震構造を提供します。墓石底面と墓石基盤に、ゴムに近い柔軟性と金属並みの圧縮強さを併せ持つPパネル免震板を設置することで、地震波から墓石を守ってくれます。
千代田区神保町にあるコワーキングスペースに事務所を構える両社。2015年、P.PANELが石材業界の「無縁墓の増加」という問題を認識したことで、ピーパネル永代墓の構想を得ました。
「新しい墓石の形を模索するうちに、墓石を地震から守るだけでなく、データをクラウド上に保管するシステムを併せ持つ墓石を思い立ちました。そこからP.PANEL と エピソディコが共同し、ピーパネル永代墓の開発がスタートしました」(エピソディコ 代表取締役社長 石川晃司さん)
墓石にQRコードという組み合わせには、まだまだ抵抗を感じる人が多いのが現状です。そのため、直近では、まずクラウド墓誌の利点を少しでも多くの人に理解してもらい、ピーパネル永代墓の利用者数の増加を目指していきます。
現状は個人墓のみを対象としていますが、将来的には慰霊碑や記念碑などへ活用する予定も。慰霊碑などを管理する自治体には膨大なデータが遺されているはず。それらの情報をクラウド墓誌のテクノロジーで管理し、参拝者に対して新しい形で届けることを検討しています。
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