Baidu(百度)が支援するイスラエルのTonara、中国のピアノ人口5,000万人をターゲットに

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practice practice via Flickr by Tom Hart
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中国は世界最大のピアノ製造国で国内のピアノ人口は5,000万人と言われている。都市部における世帯あたりのピアノ所有割合は2020年までに4%に達するとみられている。

そのため、Baidu の投資家らが昨年4月、イスラエルを拠点とする Tonara に500万米ドルを投資したといっても驚くほどのことではない。

Tonara のチーフ・ミュージシャンである Ron Regev 氏は次のように述べている。

「何世紀にもわたって、楽譜に音楽が書かれてきました。そして International Music Score Library Project(IMSLP、国際楽譜ライブラリープロジェクト)は著作権の切れた世界のあらゆる楽譜の収集、スキャンを始めたのです。

今、当社では楽譜に書かれた音楽を現代の学生や音楽家にとってさらにインタラクティブで意味のあるものにし、パブリッシャーにとっては収益性を高められるようタブレット端末を通して楽譜を配信しようとしています。誰もが IMSLP だけを使うようになれば、パブリッシャーは新たに音楽を印刷するリソースを持たなくてすみます。これはレコーディングにおける iTunes と同じような位置づけです」。

Tonara はiPadの楽譜アプリ Wolfie をベースにしてピアノ学習サービスを提供しており、これは今月末(原文掲載日:1月28日)までに中国人ユーザのニーズに合わせてローカライズされる予定だ。ユーザが新たな曲を練習する際には Wolfie はユーザがどのように演奏しているかを iPad のマイクを通して分析してくれる。また、ユーザの進捗状況を示すカスタマイズされたレポートも作成してくれる。

2011年に設立された同社は、メロディーとリズムを認識する光学楽譜認識(OMR)技術を用いている。OMR の処理と Tonara のPolyphonic Score Following(ポリフォニック・スコア・フォロイング)技術を組み合わせることで、このアプリは楽譜をタブレットに表示し、どこが正しくどこが間違っているかを教えてくれるのだ。

Chopstics

「当社は音楽の先生に取って代わろうともゲームを作ろうともしていません。音楽教師によって行われてきたベストの練習法や音楽の伝統と、今日の最先端技術を融合しようとしているのです」(Regev 氏)。

中国では、ONE というスマートピアノとライトキーボードが CES 2016で Innovation Awards Honoree を受賞した。このピアノは携帯電話またはタブレット付きで、ユーザは短い時間でどんな作品も演奏できるというものだ。このキャンペーンは昨年8月に終了したが、46万4,284米ドル超という Indiegogo の目標金額を18倍も上回る金額を獲得した。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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