ロボット掃除機のルンバ、中国市場ではXiaomi(小米)式の成功を狙う

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Image Credit: iRobot
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自動掃除機ロボットのルンバを開発する iRobot は最近中国に注力しており、上海にオフィスを構えて地元での投資の機会をうかがっている。

同社は中国市場でのプレゼンスを高め、また、同社ブランドのホームロボットを低コストで製造することを狙っており、これは Xiaomi (小米)が数十億米ドルにのぼる「スマートホーム」帝国を築いたのと同じ方法である。

掃除機ロボットのルンバ
掃除機ロボットのルンバ

iRobot の EVP である Glen Weinstein 氏は TechNode(動点科技)の取材にこう答えている。

中国には力強いスタートアップ文化があり、私たちはロボティクスを手がける企業にアプローチしたいと考えています。アーリーステージでの出資だけでなく、戦略的パートナーとしてリソースを共有し、製造コストを下げることも考えています。

同社は先月、軍事/セキュリティロボット事業を Arlington Capital Partners に売却し、コンシューマロボティクス市場に全力を注ぐ体制を整えた。

アメリカに本社を置く iRobot は香港と広州に子会社を構えており、今回上海に新たにオフィスを設置して専業のセールス/マーケティングチームを置くことで、中国市場に注力しようとしている。これはアメリカ国外において同社初となる試みである。

中国でのロボティクスについて、二つの側面があると思います。まず、ロボットによる労働環境の自動化には、製造業での労働力削減を目指す政府の後押しがあり、このトレンドは加速していること。もう一つのトレンドは、コンシューマロボティクスです。中国は当社ロボットの世界最大の市場になりつつあり、人々が家庭でより多くのことができるよう手助けをしています。中国市場での iRobot の普及率を高めることが、当社のグローバル戦略の核となっています。(Weinstein 氏)

iRobotの副社長、Glen Weinstein氏
iRobotの副社長、Glen Weinstein氏

iRobot によれば、同社の世界売上高の90%は丸い家庭用掃除機であるルンバが占め、10%は四角い床拭きロボット、ブラーバが占めるという。これらの製品はアメリカで設計され、中国では Tmall や JD.com といった国内の人気 e コマースサイトを通して販売されている。ローカライズしていないため、これらの製品は全世界共通である。

ロボット革命が今まさに起ころうとしているのです。これは従来のコンピュータ革命やモバイル革命とは大きく異なっています。ロボット革命は、データを操作するのとは異なり、現実世界のモノを操作する技術なのです。(Weinstein 氏)

ホームロボット市場はいくつもの中国メーカーにより過熱している。例えばダンスロボット Alpha 2、卵型の Rokid、子供向けの Pudding(布丁)等だ。これらはみなエンターテイメント用途で、家族団らん、子供の教育、簡易ホームセキュリティ等の役割を担っている。Weinstein 氏によれば、iRobot は家のメンテナンス用途のロボットの製造を続けるとのことである。

最終的には、家は自動でメンテナンスをするようになるでしょう。私たちは、エンターテイメント的な価値ではなく、実用的なタスクを行うロボットの開発に注力していく予定です。

現在、ルンバ980は Android や iOS アプリでリモートコントロールが可能であるが、中国市場ではまだ入手できない。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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