BAKEのR&Dプロジェクト「OPEN LAB(オープンラボ)」は食にマーケティングとテクノロジーをインストールするか

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最近、食の領域における動きが活発だ。

フードプリンターのような新たなデバイスによって広げられる可能性もあれば、先日本誌でも紹介した「C by Favy」のように、マーケティングの考え方を飲食店に取り入れることでユニークな店舗が生まれたりしている。

それだけ食というものは、食品の生み出し方から、売り方、体験の仕方まで、様々な点で変化の余地が残されているということなのだろう。食の領域において、次々と新しいチャレンジを仕掛けているフードスタートアップのBAKEも、今月から新しい挑戦をスタートさせている。

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BAKEは、商品企画や商品の改善を行うR&D施設「OPEN LAB(オープンラボ)」を2016年3月4日に開設。宮城大学 食産業学部 准教授の石川伸一氏を顧問に招き、マーケター、科学者に、BAKEのグループ会社であるきのとやのパティシエを加えて、お菓子づくりを科学的に解明していこうとしている。

情感を介在させたモノづくりを「感性工学」と呼ぶが、美味しさも感性の対象といえる。ならば、その感性を分析することは、よりよいモノづくりを行うためには必要だろう。

美味しいものを科学的にアプローチして生み出す、と聞いて思い浮かべるのは、日本酒ブランド「獺祭」の蔵元として知られる旭酒造だ。旭酒造は、日本酒づくりにおいて杜氏が持つノウハウを解析し、徹底したデータ管理に基づいて酒造りを行うようになったことは有名なエピソード。パティシエがこれまで培ってきたお菓子作りの感覚を解析することでわかってくることも、数多くあるだろう。

OPEN LABでは、こうした美味しさやお菓子作りの科学的解明だけではなく、ユーザニーズの調査、BAKE ブランドの開発・改善までを含めて実施していく方針。各ブランドの改善や新商品開発のノウハウを蓄積することは、ヒット商品の再現性を高めていくことにつながると考えられる。

スタートアップは、テクノロジーの活用や工夫してマーケティングを行うことに長けている。スタートアップが活躍できる場面は、ウェブサービスの開発以外にもまだまだ残されているのではないだろうか。

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