海外就職支援サービス「CareerWith」が新たに国別相性診断とスキルチェック診断機能をリリース

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留学をする人は、ほとんどの場合、何か目的があって留学する。そして、留学の目的として大きな割合を占めるのが就職だろう。そう考えると、留学関連のサービスが、次に就職関連のサービスも手掛けるのは自然なことだと言える。

海外留学の口コミ情報サイト「School With」を運営するスクールウィズは、2015年7月に「CareerWith(キャリアウィズ)」をリリースした。同サービスは、海外での就職を希望する人向けの求人サービスだ。

カウンセリングの結果、見えてきたこと

サービスリリース以降、サービス担当者の上野陽子氏は、海外就職希望者向けにキャリアカウンセリングを実施してきた。すでに海外の求人案件とのマッチングも生まれているとのことだが、カウンセリングを続ける中で見えてきた課題があった。

上野氏「海外で就職したいとは考えているものの、自分がどの国に合っているのかがわかっていない人が多かったんです。現地の文化や生活レベルなどの知識が不足していることが多く、まずはそこをお伝えすることから始まることが何度もありました。」

加えて、海外留学を希望する人たちに不足していたのは、自分が就職したい国ではどのレベルの英語力が必要とされるのかということ。カウンセリングのタイミングで、就職したい国の英語レベルを知ってもらう必要もあったという。

傾向がつかめてきたスクールウィズは、「CareerWith」のリニューアルを実施。新たに「スキルチェック」「国マッチング」の2つの機能を実装した。双方ともに、質問に答えていくと、自分の英語レベルと自分に適した国がレコメンドされるという機能だ。

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上野氏「診断結果は、かなり細かくカテゴリ分けして表示されます。これまでは入念に調べないと、自分はどこの国と合うのかがわかりませんでしたが、この機能でその時間が短縮されるはずです。」

同じ国内での就職でも、ミスマッチは起こる。海外での就職となるとなおさらだ。少しでもミスマッチを防ぐためにも、こうした機能は必要だろう。

自分にどの国が合っているのか、どの国で自分が持つスキルは価値が高まっているのかがわかれば、仕事を選びやすくなる。

将来は、求人情報とのマッチングもシステム化

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スクールウィズ代表取締役の太田英基氏は、将来的にはどの求人情報がマッチするかまで、システムでできるようにしたいと語る。

太田氏「国とスキルのマッチングをわかりやすく示すことができるようになりました。まだ、どの求人案件がベストなのかまでは提案できていません。ゆくゆくはシステム化していきたいと考えていますが、元々、人材紹介会社は非公開求人が多い。質の良い求人情報をレコメンドするためには、まだしばらく人力で対応しなければならないと考えています。」

どこかの領域に特化した人材マッチングサービスは、求人情報のレコメンドが難しく、人に依存するノウハウとテクノロジーのハイブリッドによって提供されることが多い。「CareerWith」も同様で、今回新たにリリースされた機能によって、キャリアアドバイザーの負担が軽減される一方で、求人情報とのマッチングはまだ人力で行われる。

海外での就職と一口に言っても、日系企業の海外拠点、現地の外資系企業、現地企業など様々だ。この状況で、求人案件をシステムでマッチングさせるのは至難の業だ、少なくとも今は。とはいえ、海外で日本人を雇用しようとするニーズは高まっていると太田氏は語る。

太田氏「大手日系企業はかなりウェルカムな状態、インドは特にそうですね。」

教育サービスとの連携はなるか

求人関連サービス全体に変化が起き始めている今、「CareerWith」はどのような進化を見込んでいるのだろう。

太田氏「日本人が海外で働く際、職務経験、パーソナリティ、英語力の3つが重視されます。職務経験やパーソナリティの部分は、既存の求人サービスでも対応できていますが、問題は英語力。日本人が海外で働く場合、英語力が問題となることが多いんです。採用側からすると、その人の英語力を判断する指標が欲しい。

まだ構想段階ではありますが、たとえば、「CareerWith」の人材データベースでは、ユーザ登録時にSkypeでフィリピン人の講師と会話してもらい、ログをとる。そのデータを見れば、人事担当者は人材の英語力を判断することができます。採用側からすると良いデータベースになるのではと考えています。」

スクールウィズは元々海外留学の口コミサービス「SchoolWith」を運営しているため、そちらとうまく連携させることができれば、独自のデータベースを構築することができそうだ。

太田氏は、最近世界を舞台に活躍する日本人の姿をまとめた書籍『WORK MODELS』を著した。今年は、語学の学習のみならず、習得した先にどう働くかという領域における活動もいっそう盛んになりそうだ。

「SchoolWith」は、2015年12月に対象範囲を拡大。欧米7ヶ国もカバーするようになった。3ヶ月ほど経過して、徐々にトラフィックが増えてきているという。今後、重要な役割を担うであろう両サービスの成長に期待したい。

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