本稿は、Pioneers Asia 2016 の取材の一部である。 23日、東京で開催されている Pioneers Asia 2016 で、250社から選ばれるピッチ・コンペティション「#PioneersAsia 250」の決勝が執り行われた。メインのアリーナーステージではファイナリストに選ばれた5社がピッチ、パーソナルモビリティの WHILL が優勝した。 決勝で審査員を務めたのは、 Jay O…
優勝し、ステージ上でシャンパンの栓を勢いよく抜く WHILL の杉江理氏(中)と、Pioneers CEO の Andreas Tschas 氏(右)
WHILL は、車椅子を新しくするパーソナルモビリティを開発。昨日、WHILL の Model M が、アメリカの FDA(食品医薬品局)から認可され、医療器具として販売できるようになった。WHILL が事業を開始したのは2012年のこと。創業者の杉江理氏が、車椅子利用者の「2ブロック先の食料品店に行くのもあきらめなければならない」という一言を聞いて開発が始まった。
位置のトラッキング、遠隔でのメンテナンス、自動運転が可能。羽田空港、シンシナティ空港、いくつかの Hyatt ホテル、三越の店舗などにも導入されており、アメリカ全土に40社以上の流通パートナーを擁する。サンマイクロシステムズ共同創業者の Scott McNealy を含むエンジェル投資家、日本・アメリカ・台湾の投資家から3,000万ドルを調達している。
Moneytree は、分散している金融情報の集約を助けるアプリを開発。クレジットカード、デジタルマネー、顧客優遇カード、銀行などのウェブシステムと連携、人工知能により自動分類され、アグリゲーションが可能になる。2013年、2014年の二度にわたり AppStore のベストアプリに選ばれる。同社の開発した MT Link を使えば、日本にある2,400以上の金融機関のデータに API アクセスが可能になる。
現在、マスターカード や IBM をはじめ、パートナー10社と提携。また、みずほ銀行とも提携した。Moneytree は現在、日本でのみ、日本語と英語で利用可能だが、CEO の Paul Chapman 氏は、(アメリカなどではない)他の国への海外展開を計画していると語った。
Molcure は、次世代シーケンシング、バイオインフォマティクス、抗体工学を駆使した高機能抗体医薬品開発プラットフォーム「AbtracerTM」を開発。従来法が持つ固有バイアスを排除し、これまで得る事が難しかった高機能抗体を創出し、革新的な抗体の医薬品開発を支援する。先月開催された、1776 Challenge Cup の東京予選でも、ファイナリストに選出された。