道具を必要な場所にお届けーー注目を集めるアウトドア・キャンプ用品のレンタルトランクサービス「hinata trunk!」

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登山、ピクニック・ハイキング、キャンプ、野外フェス、アウトドアと一口に言っても、いろいろなジャンルが含まれている。近年、こうしたアウトドア領域の盛り上がりが感じられる。都会の喧騒離れ、自然の中で家族や友人と楽しく過ごす。こうした体験に魅力を感じている人たちが増えているようだ。

vivitは、こうしたアウトドア領域へと足を踏み入れる人を増やすべく、サービスを提供しているスタートアップ。同社は、インキュベーションプログラム「Incubate Camp 6th」に参加し、2014年の春にベンチャーユナイテッドとインキュベイトファンドから、約3,000万円の資金調達を実施している。

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当初、誰と何をして遊ぶのかに特化したウェブサービス「vivit(ヴィヴィット)」を提供していたが、途中からサービスをピボット。アウトドアを軸に、複数のサービスを展開するようになった。

アウトドアサービスを複数展開する「hinata」ブランド

vivitは、まずテントの貼り方やアウトドアでの料理の作り方などアウトドアに関する情報を発信するサイト「hinata」を立ち上げた。

hinata

続いて、アウトドア用品を紹介するサービス「hinata item」、キャンプ場、公園、アウトドア情報の検索サービス「hinata spot」と、次々とアウトドア関連のサイトを立ち上げてきた。

メディアで重視したのは、読者がアウトドアに行く際の参考になるかどうか。「hinata」では、実際にメンバーがキャンプ場に足を運んでテントを張ってみて、製品を実際に使ってみるとどんな感じになるのかをわかりやすくレポートするなど、丁寧にコンテンツを生み出してきた。

hinata item

丁寧なメディア運営は読者の獲得だけではなく、アウトドア用品メーカーとのネットワークを構築することにも活きた。vivitはアウトドアに関心を持つ人にとって役立つサービスを、とメディアの周辺に関連サービスを立ち上げ、「hinata」ブランドを作り上げていった。

アウトドア・キャンプ用品のレンタルトランクサービス「hinata trunk」

hinata trunk

そんなvivitが新たに挑戦しようとしているのが、アウトドア用品やキャンプ用品のレンタルトランクサービス「hinata trunk!」だ。

アウトドアやキャンプに行きたいと考えても、アイテムが必要になる。頻繁に使うわけではないアイテムを限りある自宅の空間に置いておき、それをアウトドアに行くたびに持っていくのはなかなか骨の折れる作業だ。

vivitはそうした人々の負担を軽減しようとしている。「hinata trunk」を使えば、ユーザは自分のキャンプ用品やアウトドア用品を預けておいて、必要なときにキャンプ場等に持ってきてもらうことが可能になるというわけだ。なんと、使用後のアイテムのクリーニングもしてくれる。

利用には月額980円が必要になるが、家で用具を管理し、持っていくことの負担を考えれば、それほど高くはないだろう。「hinata trunk!」は現在事前登録を募集している状況だが、募集開始から1週間ほどで事前登録者数は500人を突破(2016年3月14日追記:すでに1000人を突破しているとのこと)。この反響からもユーザがこのサービスへ期待を寄せていることが伺える。

シェアリングエコノミーへの展開も視野に

ユーザニーズや時流を的確に捉えていることからも「hinata trunk!」は注目のサービスだが、この先に描いているロードマップが面白い。vivit代表取締役の水谷 寿美氏は、「預けてもらっている用品を、誰かに貸し出せるようにしたいんです」と語る。

水谷氏「アウトドア用品を預けられるレンタルトランクサービスが回るようになったら、次は預けてもらっている用品をユーザが貸し出せるようにしたいと思っています。最近、話題のシェアリングエコノミーの一種ですね」

持っているアイテムを貸し出すことができるようになれば、アイテムを預けているユーザは、アイテムを貸し出すことで利益を得られる可能性が出てくるし、アイテムを買わずに借りることができるとなれば、さらにアウトドアに行く人は増えるだろう。

vivitでは運営しているアウトドア用品の紹介サイト「hinata item」も、流通額が増えてきたら自社で商品を仕入れて販売することも視野に入れているという。そうなれば、買ってもらった商品をそのままトランクに預けることも可能になる。

vivitは年内に3000の契約数を「hinata trunk!」で獲得することを目標としている。サービスの本リリース予定は、野外フェスなどが活発になるシーズンの2016年4月下旬。

近い将来、キャンプやアウトドアといったアクティビティに関わる人は、何らかの形で「hinata」に関わるようになっているかもしれない。このイメージが具現化するかは、「hinata trunk」の反響次第だ。

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