世界中で多くのプレイヤー人口を抱えるサッカーでは、育成に関しても様々な科学的アプローチが導入されているが、それらは主にプレイヤーへのセンサーの付与や、ビデオ解析によるものが主であり、ボール側をセンサリングしてプレーを解析する仕組みはあまり多く見られなかった。
特に私が知りうる限りでは、低学年向けサッカーボールである「4号球」にてこの技術を導入しているものは無かったように思える。
現在Kicksterterにてプロジェクトを実施している「INSIDECOACH」は、まさにボール側にセンサーを埋め込み、コントロール情報を収集してコーチングを行うようなスマートサッカーボールだ。インパクトの力、弾道、スピード、パスやタッチの回数などを検出し、ペアリングしたスマートフォンへとWi-Fiを通じてデータを転送する。
スマートフォン側のアプリではそのデータを元にしたコーチングをリアルタイムに行うことができ、たとえば個人練習時であれば、ヘッドフォンを付けて練習を行うことで、そのコーチングを聞きながら練習することも可能なようだ(サッカーの練習においてこれが現実的かどうかは若干疑問が残るが)。
なかなか面白いと思うのは、これら情報を可視化した上で、各プレイヤー間で比較してみることだ。こうすることで、それぞれのプレイヤーが自分の能力と課題を正しく認識でき、効率的な成長につなげることができるだろう。
なお、複数の同製品があった場合、どうやって個々のボールを見分けるかどうかは今のところ明らかにされていないなど、チーム利用については多少説明不足な面があることも触れておきたい。
充電は非接触式のボールホルダーを通じて行うことが出来、満充電であれば、4時間の連続使用が可能になっているとのこと。この年代の標準的な練習時間を考えれば、この電池の持ちは十分と考えられるだろう。
気になる価格は、Kicksterter上では1個につき99ドルから185ドルの間に設定されており、50個セットのチームパッケージなども存在する。出荷は2016年の12月予定。
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