フランスのParrot、飛行時間や速度が改善されたオールインワン・ドローン「Bebop 2」を日本国内で正式発売

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Bebop 2 を手に話す Parrot の JPAC地域担当VP兼マネージング・ディレクター Chris Roberts 氏。

コンシューマ向けドローンを開発するフランスの Parrot は1日、レジャー用ドローン「Bebop」の後継機として「Bebop 2」を日本国内で正式発売した。今回のバージョンアップにより、充電一回あたりの飛行時間が11分から25分へと大幅に向上、高度を上げる際の縦方向の移動は時速9kmから21kmに、また、横方向の移動は時速47kmから時速60kmと、初代モデルからスピードアップを実現している。

Parrot Bebop の特徴は、500グラム程度という軽さと、カメラ、バッテリ、制御回路、アンテナなど一連の構成部品がメインボディの中にひとまとめにされていることが特徴だ。青山学院大学教授で、世界初の災害救援隊「DRONE BIRD(ドローンバード)」の発起人である古橋大地氏が指摘しているように、軽いドローンはコントロールが楽で、バッテリー消費を抑えられる反面、風に煽られたときの安定性を維持するのが難しい欠点がある。

都内でインタビューに応じた Parrot の JPAC(日本およびアジア太平洋)地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクター Chris Roberts 氏は、軽量ながらも高い安定性を高める工夫をシャーシなどに施していると語った。最大風速17.5m/秒(Parrot のリリースにある63km/時から換算)の向かい風でも飛行可能としており、これは防災基準に照らせば、理論上、取り付けの悪い看板が飛んだり、子供が吹き飛ばされそうになったりする程度の強い風の環境にあっても Bebop 2 が飛び立てることを意味する。Bebop 2 はアメリカやヨーロッパではすでに発売済だが、Roberts 氏によれば、Bepop と Bepop2 の両方を知るユーザからは、初代モデルが発売された2014年末からの12ヶ月という短期間で、これほどの技術革新があったことに驚きの声が寄せられているのだそうだ。

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Parrot Bebop 2

Parrot は1994年にフランスで設立された、コネクティッド・プロダクトや自動車のダッシュボードに搭載されるような接続デバイスを開発してきた歴史のある会社で、2006年には NYSE EuroNext Paris に上場している(FR0004038263–PARRO)。Roberts 氏はメルボルンの拠点に身を置き、ほぼ同じタイムゾーンにある日本やアジア太平洋市場を統括している。デベロッパ向けには Bebop に接続できる SDK を公開してアプリを作れる環境を支援。最も興味深いユースケースを教えてもらったところ、スイスのスタートアップ Pix4d は、Bebop と連携してドローンを自動運転し、撮影したビデオからをユーザが自由にアングルを操作して見ることができる、空撮動画の立体化ソリューションを提供しているのだという(下のビデオを参照)。

Bebop 2 は Wi-Fi 経由で、iOS や Android アプリを通じ、スマートフォンやタブレットで遠隔操作できるが、リモコン機器である「Parrot Skycontroller Black Edition」を使えば操作性が上がるだけでなく、最大2km まで電波の到達距離を高めることができる。近年ドローンの安全性についても議論が多くなっているが、Parrot では小売店舗で安全な飛行を啓蒙する「Drone Academy」という活動を行っており、法規制の厳格化などが Parrot のビジネスに悪影響を及ぼすことは無いだろう、と Roberts 氏は語った。

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Parrot Skycontroller Black Edition(iPad を装着している)

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