仏スタートアップのVisit Seabed、マリンダイビングフェアで潜水ベストに装着できる浮力制御装置を披露

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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サーフィンがオリンピック公式競技になるかも

今年はオリンピックに向けて、さまざまなことが進むにつれ(といっても、南半球で行われる冬季オリンピックに関するものだが)、海辺も我々を呼んでいる。しかし、準備ができていない人にとっては、危険をはらんでいる。

マリンスポーツの専門家である Nobunori Saito 氏によれば、2020年東京オリンピックは、サーフィン競技がダイナミックを映像を届ける最初の年になりそうだ。しかし、海とは何かと克服するのが厄介な相手である。

ご承知の通り、波は気まぐれだ。しかし、他の要因との組み合わせを考えると、ダイビング、それは趣味であっても職業であってもだが、業界人との話を聞いて理解するところでは、おそらく、最も注意を払わなければならないマリンアクティビティの一つだろう。

ShoreBlend のオーナーでもある Saito 氏はそう語った。

海中動物とのたわむれや海中写真の撮影ツアーなどの趣味目的のみならず、水産養殖や海洋建設からメンテナンスや資源探査といった職業目的の理由によりダイバー人口が最近増加しており、それに伴って、ダイビング中のアクシデントや死亡事故の数は爆発的に増えている。

増加の一途をたどるダイビング事故

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ダイビングに関して言えば、政府による規制だけでなく、スキューバタンクなどの用具の適切な使い方を求める業界団体もある。例えば、日本では、アメリカで50年の歴史を持つ PADI の支部にあたる PADI Japan がそれだ。PADI は正式には、Professional Association of Diving Instructors(潜水指導員協会)だが、指導員だけでなく、非指導員もメンバーに多くいる。

まじめな話だが、ダイバーが直面する問題は、必要が生じたときに、深い海中から安全な方法でどれだけ早く水面へ戻れるか、ということだ(水深30m程度でも、素人が考える以上に水圧は強力である)。しかし、海に向かうのに慣れた人でさえ、減圧症で命を落とす人がいるのが現実だ。

日本市場への参入

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左が、社長の Frederic Castellanet 氏

このような背景から、フランス・ニースを拠点とするテック・スタートアップ Visit Seabed は、日本で新しいダイビング用具を披露した。アジアを将来有望な市場だと考え、社長の Frederic Castellanet 氏は、2年間の研究の上に開発したこの最初のプロダクトを紹介する場に、東京で開催されたマリンダイビングフェアを選んだ。このプロダクトは BCDmaster と呼ばれ、潜水ベストに浮力制御装置(BCD)を付加するものだ。安全のために手動でも操作できるものの、基本的にはハンズフリーで、海中での自動浮上機能を提供する。

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深海潜水時の窒素中毒問題を指摘してきた、(アクアラングの発明で知られる)ジャック=イヴ・クストー氏の後を継ぐ人々にとっては、潜水用具のセッティングや操作が難しい状況に対して、BCDmaster の登場は、エレガントなソリューションを見つけさせてくれることになるだろう。BCDMaster は、非接触で充電できるバッテリーや電子回路を樹脂で覆うことで100%防水されており、ダイナミックホバリングのほか、海中での浮上時における安定性や自動停止の微調整を可能にする。

夏にむけて

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夏が近づくにつれ、他の関連する市場の動きも見えてくる。ダイビング関連に限っても、浮力ベスト以外に、例えばダイビング・コンピュータやダイビング・レギュレータなどがある。地球の大部分が海洋で覆われているかぎり、そこに限りないビジネスの可能性があることは事実だ。さらなる記事が今後、読者にはもたらされることだろう。

BCDmaster に関しては、アメリカの規制基準に準拠したバージョンの発表が今月予定されている。Castellanet 氏は、アジアのユーザ向けにアップグレードしたバージョンを披露すべく5月にも再来日する計画で、おそらく、南はインドネシアに注目をしているようだ。このスタートアップがフランス出身であることを考えれば、やはり(フランス領である)タヒチやニューカレドニアも有望な目的地になるのだろう。