ライブストリーミングサービスが活況だ。
北米では「Periscope」や「Meerkat」が存在感を増し、Facebookもライブストリーミング機能の提供を開始、日本では「ツイキャス」が成長を続けている。
ゲームに特化したライブ配信では「Twitch」や「Kamcord」などが成長している他、コーディングに特化したライブストリーミング「Livecoding.TV」もある。
YouTubeの創業者は、料理のライブストリーミングサービス「Nom」をローンチしている。特化型のライブストリーミングサービスまで含めると、実に様々なライブ配信サービスが存在している。
そんな中、日本から新たなライブ配信アプリがリリースされた。FACTORSはライブ配信アプリ「Bocci」は、配信者が収益を得られる点が最大の特徴だ。スマホから簡単にライブ配信がスタートでき、配信者は無料配信と1分あたりの試聴料金を自由に設定できる有料配信が可能となっている。
視聴者は配信者にデジタルギフトを贈ることができ、贈られたギフトは換金可能となっている。日本では、アイドル応援アプリ「CHEERZ」や「SHOWROOM」などがイメージに近いが、「Bocci」は一般ユーザ向けのアプリというのが異なる点だ。
北米では、「YouNow」という配信者にギフトを贈ることができるライブ配信サービスが大型の資金調達を実施ているし、最近では「Kamcord」もデジタルギフトの機能の提供を開始している。
アジア圏に視点を移すと、中国では「YY」というライブ配信サービスが存在し、台湾からは「17」というライブ配信サービスが登場している。どちらも、一般ユーザがライブ配信を行い、視聴者はギフトを贈ることが可能となっている。
このように、グローバルで勢いを増すプレイヤーが多い領域で「Bocci」は勝負を仕掛けようとしている。
「Bocci」は収益性の面にかなり注力していて、配信者と視聴者は1対1でプライベートなライブビデオチャットをする機能も備えている。プライベートなライブビデオチャットが可能になるのは、無料配信の際にチケットを購入した視聴者のみ。
他のライブ配信サービスと比較して、収益を上げやすい一方で、「Bocci」は放送内容が過激になる可能性が高いと考えられる。FACTORS代表取締役の楠田雄己氏は、ユーザの通報と運営のチェックによって、サービスを健全に保つことを考えているという。
もう一点、「Bocci」の特徴がある。それは、顔認識技術によりライブ配信中にマスクを付けるなどのデコレーションが楽しめる点だ。顔認証で配信者の顔にマスクをつけたり、ライブフィルタで画面全体を色付けしたりと、配信画面の加工が可能になる。
「Snapchat」や最近話題になった「MSQRD(マスカレード)」など、自分の顔を加工することを楽しむスマートフォンユーザは多い。「Bocci」のライブデコレーション機能は、若いユーザに好まれそうだ。今後、顔認証機能とマスク機能は今後色々と機能追加を検討しているという。
「Bocci」は今後、日本のみならず、サービスと相性の良さそうなアジアへの展開を視野に入れている。収益性とデコレーション、2つの特徴を武器にどこまで先発サービスたちと戦えるか。
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