中国の大学生向けアルバイト求職プラットフォーム「青団社」、シリーズAラウンドで850万米ドルを調達

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中国のスタートアップ Qingtuanshe(青団社)は月曜日(4月11日)、5,500万元 (約850万米ドル)のシリーズ A ラウンドを完了したと発表した。このラウンドは、デザイン、IT、マーケティングなど「クリエイティブ」な業種のフリーランサー向けプロジェクトを扱うウェブサイト運営会社 Zhubajie.com(猪八戒)が主導した。

学生が利用する Qingtuanshe のアプリは、ハンバーガーチェーンの店員、アプリでのライブストリーミング、さらには企業のソーシャルメディアに「いいね!」する(Qingtuanshe の広告では「携帯電話を使ってお金を稼ぐ方法」として紹介)など様々なアルバイトが掲載されている。学生は気に入ったアルバイトを申し込み、採用されるとそれぞれの会社と契約を結ぶ。企業は、Qingtuanshe が無料で提供している企業向けアプリをダウンロードしてアルバイト募集を投稿すると、学生からの申し込み状況を管理できる。

From left to right: 1) job postings on Qingtuanshe’s student app 2) banner page of a job posting 3) description of a part-time job, including its daily salary (100 RMB in the screenshot)
左から:1)Qingtuansheの学生向けアプリの求人票, 2)求人のトップページ, 3)日給などアルバイトの詳細情報(当スクリーンショットでは100元)

共同設立者の Xinxuan Wang(王心暄)氏によると、学生は求職プラットフォームでネット詐欺に遭うことがあるという。この被害を軽減するため、Qingtuanshe はマクドナルドやイケアなどといった企業との提携に資金を投じてきた。同社には、アプリに投稿されているアルバイト内容の認証を行うチームもいる。

ただし、Qingtuanshe の学生向けサービスは同スタートアップが担う事業の一部にすぎない。同社は、臨時・パートタイム労働者の確保に苦労している企業を対象とした B2B サービスからも収益を得ている。この事業は Qingtuanshe アプリとは別のオフラインのサービスであるが、アプリから得られる学生データのほか、配車サービス企業 Didi Chuxing(滴滴出行)やオンライン決済プラットフォーム SF Pay(順手付)などパートナー企業からもたらされるデータも活用している。プレスリリースによると、Qingtuanshe は中国全土の25都市で実店舗運営をしているという。

中国では小・中・高等学校での校則が厳しく、また、勉学に忙しいこともあり、多くの人にとってアルバイトを探して仕事ができるのは大学が初めての機会である。中国には51job(招聘)Lagou(拉勾) といった求人検索サービスはたくさんあるが、そのほとんどは学生に限らず、幅広い求職者を対象としている。さらに、Qingtuanshe は Alipay(支付宝)とも提携しているため、ユーザのアルバイト経験は最終的に Sesame Credit(芝麻信用)に加算される。このクレジットは現在、Alipay ユーザの料金支払いや Taobao での買い物、その他のデータにより算出されている。

2013年に設立された Qingtuanshe は100万元(15万4,000米ドル)を2014年のエンジェルラウンドで、1,000万元(約150万米ドル)を2015年のシリーズプレ A ラウンドで調達した。今回得た資金は他都市での店舗拡張や、より多くの業種を扱う求人検索サービスへの改善に活用される予定だ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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