Facebook、写真の内容を認識する人工知能を利用した音声読み上げ機能を提供開始

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<ピックアップ>Facebook programs computers to describe photos for the blind

Facebookは先日、写真の内容を認識する人工知能を利用した音声読み上げ機能を発表した。

これにより、音声読み上げ機能を利用しFacebookを楽しむユーザーが、シェアされる写真の内容まで理解したうえで「いいね!」といえることになるだろう。画像認識の精度はざっくりとしており「3人の人が屋外で笑っています」「ピザです」といった程度のものだが、有ると無いとでは大きな違いがあるといえるだろう。本機能はiOSアプリで英語のみ利用が可能で、iOSの標準音声読み上げ機能「VoiceOver」により読み上げられることとなる。

Facebookによれば、同社の運営するSNSサービス(Messenger、Instagram、WhatAppなどを含む)には1日平均20億枚以上の写真がシェアされているという。これだけ膨大な情報に対してアクセスできない人がいるということは、同社にとって大きな機会損失であるとともに、よりユーザーに使ってもらうために解決すべき大きな課題ともいえるだろう。

本機能に対し同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は「この機能は全ての人が平等に情報にアクセスし、平等に会話に参加するための重要な一歩だ」と語っている。

この音声読み上げ機能の強化は、純粋に視覚障害を持つユーザーへ配慮という側面もあるが、他方で企業としてウェブアクセシビリティに関する社会的要請への対応ともいえるだろう。特に米国の場合はウェブアクセシビリティの意識が高く、15年前の2001年時点で政府関係機関に対して遵守すべき規定を策定している。

一方、日本においても2012年に策定された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が今年4月に施行され、政府が運営するウェブサイトは合理的配慮が義務化され、社会的責任の大きい大企業も努力義務が求められることとなっている。

Facebookのような動的にコンテンツが変化するサイトの場合、完璧に対応するのは難しいが、それでも今回発表された人工知能を用いた画像認識機能は、この要請に対するある種の回答といえるのではないだろうか。

今や多くの人々にとってコミュニケーションにおけるインフラのひとつとなったSNS。彼らに求められる社会的責任も、決して少なくない。

via Yahoo Finance

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