AIを用いた営業現場の支援ツール「Senses」を開発するマツリカがDraper Nexsus、アーキタイプから資金調達

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人工知能を活用したSFA(営業支援ツール)の「senses(センシーズ)」を開発するマツリカが、Draper Nexus Ventures、アーキタイプベンチャーズの2社を引受先とする第三者割当増資資を実施、総額約5000万円を資金調達した。

マツリカは昨年10月から一部ユーザに限定してSFAツール「Senses」を公開していた。今回、資金調達の発表に合わせて、SFAツール「Senses」を4月25日に正式公開することも発表している。

営業現場が抱えている課題

マツリカ代表取締役社長の黒佐英司氏は「『Senses』は、従来の管理者向けのツールではなく、現場の営業プロセスを直接的に支援するクラウド型営業支援ソフトウェアです」と語る。

黒佐氏は、マツリカ創業前、20人ほどの規模のユーザベースにジョイン。カスタマーサポート、マーケティング、セールスなどビジネスチームの立ち上げを行い、ビジネス側の責任者を務めた。そのときに、営業チームの課題を感じていたという。

黒佐氏「営業の人が抱える課題のひとつに、営業スキルが属人化してしまうことがありました。これを仕組みでどうにかできないかと考え、組織の仕組みでどうにかしようと取り組んでいたんです」

黒佐氏がジョインした時期のユーザベースは、チームを増やしていくフェーズ。営業チームのメンバー数が10人を超えてくると、管理や教育が難しくなり、売れる人と売れない人に分かれてしまっていたそうだ。

黒佐氏 「色んなSFAツールを試しましたが、どれもフィットしませんでした」

その後、黒佐氏はユーザベースの同僚と、社外の2人のメンバーとマツリカを創業。プロダクトの開発に着手した。創業後も、ナレッジマネジメントツールに寄り添うになったり、コミュニケーションツールに寄り添うになったりと、プロダクトの軸は何度もぶれそうになった。ブレイクスルーとなったのは、「現場のためのツールを開発する」という点を軸に設定したことだった。

黒佐氏 「SFAに入力するのは現場で、管理者は営業の状況が効率よく把握できる。ですが、情報を入力する人たちにとって役に立っていない、だから入力が続かない。この状態を解決するために、面倒を解消し、現場の役に立つツールを開発しようと考えたんです。」

面倒をなくし、現場の役に立つようにと開発された「Senses」は、営業パーソンの「いつ」「誰に」「何を」「どのように」アクションを行うかをサポートする。面倒のないよう、「Google Apps」「Office 365」といったグループウェアと連携し、業務フローを変えることなく利用できるようになっている。

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メールの画面を開き、営業先に送るメールを作成する際に、蓄積されているデータを参照することもでき、送ったメールをそのまま具体的なアクションのデータとして蓄積できる。

案件の状態、商品、フェーズ、提案金額等といった情報が案件ごとにデータベース化され、営業パーソンは自動的に過去の履歴から参考情報を探すことが可能だ。

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営業パーソンは「Senses」を開くと、営業パーソンは類似した状況で行われた過去のアクションを参照でき、とるべきアクションを決めるとカードが作成される。今日のアクションが決まると、関連するニュースが管理画面に表示されるようにもなっている。

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こうした企業データベースの構築や関連ニュースの表示には、ユーザベースでの経験が活きているという。現在、マツリカはフルタイムで6名のメンバーがおり、すでに採用が決まっているメンバーがあと2人。8名ほどがパートタイムで関わっている。今後、正式リリースに向けて、エンジニアを採用するなど、体制強化を図る。

黒佐氏 「開発以外の面では、プロアクティブに動ける体制を作り、”カスタマーサクセス”を重視していきたいと考えています。カスタマーサポートのようなコストセンターではなく、プロフィットセンターとしていきたい。」

と黒佐氏はチームづくりにおける意気込みを語った。

「Senses」は10名単位の営業チームにとって相性の良いツールだ。スタートアップのようなスモールチームでの採用に加えて、大きな企業でのチーム単位で導入することもあり得る。

マツリカは今年、「Senses」 の正式導入数を100社を目標としており、来年には500社の導入を目標としている。

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