電子書籍サイト、無料イラスト制作ソフトを展開するMediBang(メディバン)が総額3億円を資金調達

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MediBang

電子書籍サイト「メディバン」や、無料イラスト・マンガ制作ソフト「メディバンペイント」を展開するMediBang(メディバン)が、 B Dash Venturesらから第三者割当増資を実施し、総額3億円を資金調達した。

数多の企業が電子イラストコンテンツ配信サービスを展開する中、MediBangのサービスには3つの大きな特徴がある。

1点目は、電子書籍サイト「メディバン」に加えて、イラストコンテンツ制作ができる「メディバンペイント」を無料で展開していることだ。「メディバンペイント」は、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応する無料アプリ。

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簡単な操作で本格的なイラストを描くことができ、イラストデータは、クラウド上で別のユーザーに共有することで共同制作をスムーズに行うことができる。アプリは1年で400万ダウンロードを突破し、現在、スマホアプリのダウンロード数が全体の約75%を占めている。

プロ・アマチュアのマンガ家・イラストレーター以外にも、ライトユーザも多数利用し、スマホアプリ上で気軽にイラストを描き、SNSに共有している。

2点目は、電子書籍サイト「メディバン」上で作品を出す際の手数料をゼロにし、売り上げの全てをクリエイターに還元している点だ。さらに、KindleやiBooksなど他ストアへの取次も手数料ゼロにて実施することができる。現在、トップクリエイターは1週間で10万円ほどの売り上げを達成しているという。

そして3点目は、両サービスとも、ユーザの約7割が海外ユーザであることだ。MediBangマーケティング部マネージャー・土井将史氏は以下のように説明する。

土井氏「両サービスともローンチ当初は、日本のみのマーケティング戦略でした。しかし、海外圏での一定ダウンロードや、SNSによる認知向上により、徐々に海外ユーザが増加し、現在も、数カ国で1日の自然流入が2000ダウンロードを超えています。我々も海外マーケットへの本格投資へ向けて、サービスの言語対応を行って参りました。」

現在、「メディバン」は5カ国語に対応し、「メディバンペイント」は20カ国語対応済み。さらに、各国の言語にネイティブ対応できるスタッフをマーケティング担当としている。

少年ジャンプ+とのコラボコンテストにて、創作マンガを募集した際、応募作品約900点のうち、500点が英語作品だったというところからも、海外ユーザの利用率の高さが伺える。

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少年ジャンプ+とのコラボコンテストにて集まった英語作品。中国語作品・韓国語作品の応募も多数集まった。土井氏は、「メディバン」内にて人気が出た無料作品を翻訳し、グローバルに人気な作品を生み出していくことも今後の取り組みの一つだという。

土井氏「今後は、「メディバンペイント」で仕上がった作品を、「メディバン」に流し込み、グローバルに勝負できる作品を多く生み出していく予定です。投資家の方々に評価して頂いたのも、熱心な海外ユーザの存在により、グローバルに人気なコンテンツを提供可能な点だと考えています。

今後は、海外マーケティングをより本格化させ、潜在的ユーザの多い地域・国を重点的に開拓し、さらなる言語対応を進めていきます。また、国内における既存人気作品のうち、我々が扱うことが可能なものを開拓し、翻訳・配信することで、さらにグローバルでも売れる市場を築いていきたいですね。」

と、土井氏は意気込みを語った。今回の調達でさらなる加速をかけるMediBang。肝心のマネタイズについては、「メディバン」では手数料化、「メディバンペイント」ではプレミアムサービスを検討中とのこと。

コンテンツプラットフォームのみでなく、コンテンツが生まれるもとをツールとして押さえるという稀なビジネスモデルを展開するMediBang。両サービスが成長していくにしたがって、影響力が加速度的に増していくことは間違いないだろう。

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