日米のテックシーンをつなぐ「If Conference」がNYで初開催——250名を集め、成功裏に閉幕【ゲスト寄稿】

本稿は、ニューヨークを拠点に活動するジャーナリストで翻訳家の安部かすみによる寄稿である。ヌーラボ・ブログへの掲載記事を、ヌーラボと安部氏に許可をいただき、THE BRIDGE が再構成・転載するものである。


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日本とアメリカのテックシーンを繋げるイベント「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してIf Con=イフコン)が、4月11日(月)、ニューヨークで開催されました。

約250名もの来場者が訪れ、会場は満員御礼。どの回のスピーチも参加者から質問が飛び交うなど、大変な盛り上がりをみせました。この日の様子をレポートします。

キーノート(1):日本企業がアメリカで成功するには

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4月11日(月)午後12時30分よりスタートしたイフコン。会場はタイムズスクエアにある、Microsoftです。

まずは最初のキーノートスピーチとして、「Social Starts」ファウンダー/ジェネラルパートナー、「Pivot Conference」創業者/CEOなど数々の肩書きを持ち、日米のテックトレンド事情にくわしい投資家のウィリアム・ロース(William Lohse)さんが、日本のスタートアップがアメリカに進出して成功するコツなどについてスピーチしました。

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日米両方のテックトレンドに詳しい投資家のウィリアムさんは注目度も高く、平日しかも月曜日の午後であるにも関わらず、冒頭から会場は満席!

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日本とアメリカを行き来し、日本のテックシーンに精通しているということで、日本人アントレプレナーやアメリカ内での日本人テックコミュニティーなどについての質問が飛んだ。

ヌーラボCEOが登壇:テックシティー福岡について

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午後2時よりヌーラボCEOの橋本が登壇し、本社がある福岡が日本で初めてスタートアップビザを発給開始したという新制度についてや、橋本らが主催するテックとクリエイティブの合体イベント「明星和楽」について紹介しました。

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ジョークも交えてのスピーチに会場からは時折笑顔がこぼれ、またスピーチ後にはQ&Aで質問が飛び交いました。本人は相当緊張したそうですが、ニューヨーカーに対してヌーラボと福岡のPRには貢献できたようで、本人もスタッフもホッ。

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「明星和楽をニューヨークでもやらないんですか?」という質問に、「福岡以外で台湾とロンドンでできたのはそれぞれの市の協力があったから。ニューヨーク市も協力してくれるのならぜひ開催したい」と橋本。

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「初めてニューヨークで講演しすごく緊張しましたが、福岡市の紹介でまずラーメンの話を始めたときに皆さんの反応が良かったので、それからはいつものペースで話ができました」とは後日談。

Microsoft内のヌーラボとは別の会場では、「ニューヨークで外国籍のスタートアップとうまく仕事をするコツ」などについての講演も行われ、こちらも盛り上がりをみせていました。

パネルディスカッション:「グローバルなマクロトレンドは?」「日本進出について」

午後3時から5時までは、2つの大きなパネルディスカッションが開かれました。 ニューヨークをベースにしたスタートアップの日米のCEOやアナリストらが「グローバルなマクロトレンド」について、また、日本に進出したスタートアップ のCEOらが「日本進出する際の心得」についてのパネルディスカッションを行いました。

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「Adobe」 のアッシュ・ライアンさんをモデレーターに、「OKpanda」CEOアダム・グリースさん、「Noom」ディレクター宜保陽子さん、「Meetup」国際課ディレクターのオディル・ベニフラさんが参加した「日本に進出する際の心得」についてのパネルディスカッション

ちなみに別会場では、「イノベーションのためのメンタルゲーム」「スタートアップを成功するための構造作り」「日米のスタートアップのトレンド」などについての講演も行われました。

キーノート(2):パーソナルモビリティー産業を破壊する方法

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イベントの締めとして最後のキーノートスピーチに、シリコンバレーに本社を置くWhill のCEO、杉江理(さとし)さんが登壇し、次世代型電動いすの開発やこれからの展開についてのスピーチがありました。こちらも会場は立ち見ができるほどの盛況ぶり!

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2012年に設立したばかりの Whill の企業理念と次世代型電動いすの開発秘話をシェアした同社CEOの杉江さん。「私たちが作りたいのは電動車いすではなく、誰もが乗ってみたいと思える、新しいカテゴリーのパーソナルモビリティ」と本人談。

午後6時以降は軽食やドリンクを交えたネットワーキングイベントが行われ、参加者が登壇者に積極的に質問をしたり参加者同士で意見交換を行ったりする姿が見られました。

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全体的に、来場者の職業はアントレプレナーや学生が多く、男女利率は同じぐらいだった

イフコン主催者の1人である奥西正人さんに、イベント終了後に感想を聞きました。

想像を超えるたくさんの方々に参加していただき、大成功のイベントになりました。今回のイベントを通して、ニューヨークにおいてもこのようなイベントやコミュニティーの存在意義や必要性があることを改めて認識できました。

来場者からはどういった感想や反響があったかについては、

『来てよかった』など、喜びの声をたくさんいただきました。まず、アメリカのテック関係者からは、このイベントが日本発や日本人のスタートアップなど、“初めて日本関連に触れた”ということに対しての評価が高かったです。こちらに住む日本人やその関係者からは、ニューヨークでこのような現地イベントに初めて参加できてよかったという声がありました。どちらも共通するところは、以前にはない新しいイベントだったというフィードバックでした。

また今後の抱負として、「より多くのニューヨーカーに日米のスタートアップを知っていただき、日本の方々にもニューヨークのテック事情を知っていただけるのが願いです。今後も「If Conference」や通常行っているミートアップ「Japan NYC Startups」のコミュニティーが、ニューヨークの日米スタートアップの発展のきっかけになればうれしいです」とのこと。

日本とニューヨークおよびアメリカ全体のテック系の繋がりが今後より深いものになることがさらに期待できそうです。

写真で振り返るIf Conference 2016

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途中休憩で軽く体操して、頭とカラダをリフレッシュ
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参加者は、イベントの協賛である「Itoen」のお茶、「Sapporo」の生ビール、「Baum’s Sho」のバウムクーヘンなどさまざまなドリンクや軽食を楽しんだ

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