SLUSH ASIAがスタートアップピッチのノミネート60社を発表——運営チームに聞いた今年の見どころ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2016.4.28

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昨年に続くこと2回目となる SLUSH ASIA が5月13日〜14日に開催される。主催者発表で昨年3,000人を集めたこのスタートアップ・カンファレンスは、今年会場を幕張メッセに移し、その内容や人数規模ともにさらなる成長を見せるようだ。SLUSH ASIA のコアコンテンツの一つであるスタートアップピッチには日本を含む世界20カ国から約100チームが応募、うちノミネートに残った60社の顔ぶれが28日発表された。65%が日本国内から、残りの35%が海外からのスタートアップだ。

今年の SLUSH ASIA の見どころについて、運営チームで〝Startup Operations〟を統括する Niya Sherif 氏と、テクノロジー全般を統括する柴田直人氏に話を聞いた。

<昨年開催された SLUSH ASIA 2015 関連の記事はこちらから>

SLUSH ASIA をイベントではなく、ムーブメントにする

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SLUSH ASIA を3週間後に控えた日曜日の午後、東京・赤坂にあるアクセンチュアのオフィスでは、メンターを交えたスタートアップのピッチトレーニングが行われていた(写真上)。これから SLUSH ASIA 開催までの毎週末、都内各所でピッチ登壇する全スタートアップには、このような機会が提供される。

ヘルシンキと東京では文化も違うので、スタートアップの姿勢も違う。ヨーロッパのスタートアップはとにかくアグレッシブに行動することが先だけど、アジアではまず戦略を考えて、そこから行動するというパターン。当然、そういう考え方の違いは、ピッチにも現れるが、参加するスタートアップには、このピッチトレーニングを通じて、自信を築いてほしいと思っている。(Niya Sherif 氏)

投資家ら審査員を前にした 6分間のピッチと Q&A にどれだけの共感が得られるかで、その後のスタートアップの道筋が大きく変化すると言っても過言ではないだろう。昨年優勝した台湾の VMFive は600万ドル、2位だった yappli の ファストメディアは250万ドル、そして、3位につけた FOVE は1,100万ドルを調達している。

<関連記事>

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SLUSH ASIA で Startup Operations を担当する Niya Sherif 氏(右)と Natsumi Saito 氏(左)。

近年、海外から日本にやってくるスタートアップが増えているが、彼らが日本やアジアへの市場進出を図る上でも SLUSH ASIA を便利なプラットフォームにしたいそうだ。多くの海外のスタートアップを知る Sherif 氏から見れば、日本のスタートアップが持つ品質やプロダクトに対するパッションは世界でも群を抜いていて、〝ベータ版が日常茶飯事〟の業界にもかかわらず、「品質がまだ十分じゃないから公開できない」という日本のスタートアップの品質追求ぶりに常々驚くそうだ。これは日本のスタートアップの強みでもあり、海外のスタートアップが、日本のスタートアップや人材と付き合う上では、大きなメリットになり得る。

特にアジアでは、ビジネスにおいて人間関係が優先される傾向がある。それゆえ、投資家と起業家をつなぎ、スタートアップハブをつないでいくことが SLUSH ASIA の大きなテーマだ。スタートアップの多くが徒歩圏内や地下鉄で数駅程度の距離に集積している東京は例外的な存在だ。世界的には、多くのスタートアップハブは分散して存在しており、果たして、年に一度開催するイベントだけで、果たして、彼らを互いに〝つなぎ続ける〟ことができるのだろうか。

その点については、今後もっと多くの活動をやっていこうと思っている。年間を通して開催する Slush Cafe (写真下)もその活動の一部で、アジアにある他のスタートアップ・コミュニティとも連携を図っていく。これまでにも、ワークショップやピクニックなどもやってきた。SLUSH ASIA はそれ単体のイベントというより、そういうムーブメントの一部になっていくだろうと思う。(Niya Sherif 氏)

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500 Startups Japan のマネージングパートナー 澤山陽平氏(右側奥)を招いて開かれた Slush Cafe。SLUSH ASIA CEO の Antti Sonninen 氏(右側手前)が司会を務めた。

投資家と起業家をマッチングするアプリ

今年の SLUSH ASIA を特徴づけるもう一つの要素がマッチングアプリだ。起業家と投資家の出会いが SLUSH ASIA の大きなテーマだが、たった2日間でそれを効率的に行うのは難しい。そこでイベント開催当日より前にアプリで互いの情報を共有しておき、事前にアポイントメントやミートアップのスケジュール調整ができるアプリを今年から導入する。もともとはヘルシンキで開催される SLUSH 本家で使われていたアプリをもとにしており、今回、SLUSH ASIA での利用にあたり、同イベントのテクニカル部門を統括する柴田直人氏らが、日本語対応を含むローカリゼーションを実施している。

投資家には、どのような分野(バーティカルやステージ)に関心があるか、どれだけ投資してきたか、今後、どれだけ投資するかを登録してもらいます。スタートアップ側は、どのようなテクノロジーやサービスに特化していて、資本金や事業の大きさなどをもとにスクリーニングしています。

アプリでは、それらを SLUSH が培ってきたアルゴリズムをもとにマッチメイクし、双方に会ってみることをレコメンドします。(柴田氏)

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テクニカル部門統括の柴田直人氏。

SLUSH ASIA では、イベント当日のアジェンダや催し物を紹介するモバイルを別途準備しているが、このマッチングアプリはウェブベースで提供され、イベント当日までにアポイントメントにつなげることが大きな狙いだ。

また、柴田氏が担当する SLUSH ASIA 周辺のイベントとして、こちらもヘルシンキ本家に習ってのプログラム構成となるが、200人以上の起業家や開発者を集めるハッカソンイベント「JUNCTION ASIA」も見逃すことができないだろう。日本航空 / ソフトバンクグループ/ インテル+レノボ+NEC の3つのトラックが用意されており、各トラックの優勝者には、SLUSH ASIA での登壇機会も提供される予定だ。JUNCTION ASIA については5月2日まで参加を受け付けているので、関心のある人は今すぐここからエントリしてほしい。

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