
Image Credit: Spil Games
アタリの創業者で近代ビデオゲームの父であるノーラン・ブッシュネル氏は、まだまだゲームに飽き足らない様子だ。オランダを拠点とするパブリッシャーSpil Gamesと提携し、モバイルゲームシリーズ制作に取り組むという。
73歳にしてブッシュネル氏は今も若々しい心を持ち、ゲームの血を騒がせている。GamesBeatのインタビューに彼はこう答えた。「常にゲームを作ることを考えています。」
しかも、彼は新しいトリックを学んでいる。ブッシュネル氏が考案した初代「モバイル・ファースト」のゲームがいくつかあるのだが、Spil Gamesがそれらのゲーム設計をもとに完璧なモバイルゲームへと作り上げる意気込みを示している。オランダのヒルフェルスムを拠点とする同社は、デベロッパーとパブリッシャーの2つの役割を担うことになる。
ブッシュネル氏によると、すべての準備が整えば5~8種類のゲームができるかもしれないという。まずは3種類のゲームを実現することになっており、最初のゲームは2017年にデビュー予定だ。Spil Gamesは正確で類を見ない技術、クリエイティブスキルと流通力のすべてを兼ね備えているとブッシュネル氏は語る。
大規模なゲーム業界ではさほど広く知られていないSpil Gamesにとって、これは非常に良い動きだ。一方、ブッシュネル氏はおそらくビデオゲーム産業でもっとも名を馳せた人物といえる。彼は1972年にテッド・ダブニー氏とアタリを共同設立し、アタリはPong、AdventureやBreakoutといった伝説的ゲームを世に送り出してきた。また、同社はAtari 2600と5200ホームコンソールを作った。(Atariは現在フランス人実業家Fred Chesnais氏の所有となっている。)
ブッシュネル氏はいわばゲーム産業のショーマンであり、華々しいマーケティングと名声を生かして自身のモバイルゲームに多大な注目を集めることができる。
Spil Gamesは自社モバイルとウェブゲーミングで毎月1億以上のアクティブユーザ(MAU)を持つパブリッシャー兼プロデューサーである。同社にとってレベルアップの準備は万端だ。
「ノーランがSpil Gamesと仕事をすることを選んでくれたことは、弊社モバイルゲームへのアプローチを大きく後押ししてくれています」とSpil GamesのCEOであるTung Nguyen-Khac氏は声明で述べた。「弊社チームには確かなスキルと数百万ドル規模のフランチャイズという実績があります。弊社ゲーム開発とプロデューサーチームは創造性と商業的ノウハウの適切なバランスを生み出しています。私たちはノーランと協力し、彼のエネルギーや創造性にふれることができるのを楽しみにしています。」
ゲームの核となるのはイノベーションだ。2015年、Spil Gamesは週間モバイルインストール数を1,000%増やすことに成功し、12月には週間新規インストール数が260万回に達した。結果として、同社は現在Google Playのトップ30パブリッシャー、iOSのトップ90パブリッシャーにランクインしている。同社の2015年総インストール数は5,000万を上回った。
ブッシュネル氏は技術的にも起業家としても伝説に残る人物だ。1978年にアタリを去った後、Chuck E. CheeseのPizza-Time Theatersや多くのスタートアップを設立してきた。ビデオゲームホール・オブ・フェイムやコンシューマー ・エレクトロニクス協会ホール・オブ・フェイムにも名を連ねている。

Image Credit: Spil Games
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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