レストラン予約システムの刷新を目指してーーReserveが予約プラットフォームをローンチ

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Image Credit: Reserve
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従来のレストランの予約手順を改善するためReserveは、Reserve for Restaurantsをローンチした(編集部注:原文掲載5月10日)。この予約管理システムにより、レストラン側は座席、予約スケジュールや待ち時間などの要素を効率よく管理できる。システムには顧客データベースも含まれる。食事に来る人が「最初から最後まで」より良い経験ができるよう、手順を合理化するのが狙いだ。

ReserveのCEOであるGreg Hong氏はReserve for Restaurantsについてこう説明した。「『インセンティブ』と『ツール』を提供し、レストラン予約を便利にすることで提携先レストランは主導権を取り戻すことができます。」

Reserveのプラットフォーム上のレストランレイアウト Image Credit: Reserve
Reserveのプラットフォーム上のレストランレイアウト
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レストランはロケーションごとに毎月99米ドルでOpenTableのプラットフォームに似たプラットフォームをインストールすることができるが、OpenTableとは明確な違いがある。ウェイティングリスト管理、予約機能、分析機能を提供するが、システムを通じた予約に伴うサービスチャージなどの追加費用は一切発生しない。Reserveによると、1人あたり0.25米ドルから7米ドルを節約することができるという。

同社のレストラン商品部門を統括するPeter Esmond氏はフードテクノロジーエコシステムについてこう語った。「細分化されすぎていて利用客にとっては不透明です。レストランが19時から20時の間に予約が埋まっているのは当然のことで、人数に応じた手数料を支払うためだけにその時間帯をオンラインシステムに登録する必要はありません。節約した費用は利益となります。」彼はエコシステム全体が変わるべきだと感じている。

客はレストラン自身のサイトからReserveを使って予約をすることができる。 Image Credit: Reserve
客はレストラン自身のサイトからReserveを使って予約をすることができる。
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もうひとつ特徴的なのはSalesforceのような機能で、レストランは頻繁に食事に訪れる顧客データをより詳しく管理することができる。情報は顧客が直接Reserveシステムに入力するものではなく、よりパーソナルな方法で生み出され、レストランは来客履歴、好きなテーブル、好きな飲み物、アレルギーやその他好みを追跡できる。すべてはより良いおもてなしのためだ。

この顧客管理サービスは、Reserveが昨年買収したEsmond氏の会社Set for Serviceが主体となっている。

レストラン産業の領域の多くがこの数年イノベーションの恩恵を受けてきたが、予約システムだけが突破口を見出せずにいた。「誰もどこを直すべきか指摘していませんでした」とEsmond氏は言う。彼にとってOpenTableの競合先が多数いるにも関わらず、今のところ差別化を提案できた者はいないのだ。彼もHong氏もこの新しいプラットフォームが新たな旋風を巻き起こすと考えている。

「現在はこのことに焦点を当てています」とHong氏は付け加えた。「Reserveはユーザ主体のアプローチでレストランのニーズに応えることに非常に気を配っています。」

ReserveのエコシステムーーReserveコンシェルジェアプリ、ウェブサイトウィジェット、Reserve.comのサイト Image Credit: Reserve
ReserveのエコシステムーーReserveコンシェルジェアプリ、ウェブサイトウィジェット、Reserve.comのサイト
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ローンチにあたり、Reserveはこのレストランプラットフォームをサードパーティデベロッパー向けに開放していないが、最終的にはレストランがテクノロジープラットフォーム間(おそらくSquareのPOSシステムなど)でデータを同期できるよう、統合用にオープンする予定だ。Hong氏は「レストラン利用客のプライバシーを保持」しつつ「より良い状態でデータを共有する」ため、これには長い時間がかかるとしている。

現在アメリカでReserve商品を利用しているレストランネットワークは500軒に上るが、Reserve for Restaurantsを導入したのは150軒にとどまっている。同社の「デジタルコンシェルジュ」オプションは残されているので、レストランはReserveのプラットフォーム利用を強いられることはない。

Reserve.com Image Credit: Reserve
Reserve.com
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予約の機会を増やすため、同社は新たに消費者用デスクトップウェブサイトもローンチした。提携する500軒のレストランほとんどの予約が可能だ。しかし、Hong氏によれば技術的制約のためまだモバイル決済は利用できないが、これは解消される見込みだ。

Reserveのモバイルアプリで予約しておけば、食事後にウェイターが会計伝票を持ってくる代わりに、支払いはアプリ内で完了する。また、今後はウェブインターフェイスとモバイルアプリの機能は同等レベルにまで高められる予定で、利用できるレストラン数が増加するだけでなく、即時予約機能も追加されるという。

消費者向けウェブサイトは、レストラン検索にデスクトップの大画面を使うことを好む人に向けて作られている。Reserveによると、店内や料理写真などに興味があるユーザにとって大画面だとわかりやすい。「レストランの予約をより簡単に行うことができます」とHong氏は説明した。

Reserve for Restaurantsと同社の消費者向けウェブサイトはいずれもHong氏が言う「連結プラットフォーム」である。彼は「空腹時から食事を終えてフィードバックを残すまでの全プロセスを利用客に提供できるエコシステムを作るのがスタート時からの目標」だと自身の考えを語ってくれた。スタートアップスタジオExpaを通じてインキュベーション段階からReserveは常に消費者を対象としてきたが、今ではその照準を「レストラン側のパイプをより完全につなぐこと」に拡大している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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