今日という一日に君がしたことは、君が何者であるかを物語る

Benjamin-HardyBenjamin Hardyさんによる寄稿記事です。3人の素晴らしいお子さんの父親で、現在は組織心理学の博士号を取得するために猛進中。eBook「Slipstream Time Hacking」の著者。Twitter アカウントは、@BenjaminPHardy。本記事は、Mediumへの投稿記事を許可を得て翻訳したものです。元の英語記事もどうぞ。


image via. Unsplash.com
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「幸福とは、考えること、口にすること、することの調和がとれていることだ」ーマハトマ・ガンジー

ガンジーは正しかった。君のすることが、君の価値観やゴールと不調和な時、君の内面は対立状態にある。

自分がするべきことがわかっている時、例えば、それがプロジェクトを進めることでも、愛する人と時間を過ごすことでも、健康的な食生活を送ることでも、君はそれを知りながらそれに逆らう行動をとってしまう。

僕と同じように、君もまた自分の行動を正当化し、夢に向かって前進しているのだと自分を説き伏せようと試みるかもしれない。でも、鏡をまっすぐ覗いでみれば、それが偽りであることが一目でわかる。

君の態度や行動は、結果に直接繋がるものだ。意識的に怠けてしまっていて、自信がつくはずがない。自信を得る代わりに、君はうつ病になり、自分のアイデンティティを見失ってしまうだろう。

君は、どれだけ自分の価値観やゴールに沿って生きているだろうか?

どれほどの内面的な対立を抱えているだろうか?

僕もこの域をまだ越えてはいない。

  • それが仕事の波に乗る妨げになることがわかっていても、FacebookとTwitterを常にチェックしてしまう。
  • 割れた腹筋が遠ざかってしまうと知りながら、妻がつくってくれる自家製パンにNutellaのチョコレートクリームを塗って食べることをやめられない。
  • 何日も何も書かずにいることがある。書かない一日が、自分のゴールを達成する道のりに何ヶ月という期間を加えるかもしれないのに。

正直言って、僕の行動は、僕の価値観やゴールに頻繁に反している。たしかに、完璧であることを目的にすべきではない。でも、自分たちの価値観やゴールを一貫して実践することで、それが大きなモメンタムとなり、また成果となって現れる。

これを避けて通ることはできない。成功したいなら、君自身が成功者のように振舞う必要がある。アリストテレスが言ったように、「私たちは私たちが繰り返し行うもの」でしかないのだから。

僕たちは人生を24時間単位で生きている

僕たちには、ひとり一日24時間の時間が与えられている。君の一日がぐらついている時、君の人生もまたぐらついたものになる。“一日” をマスターすることができれば、成功は約束されたようなものだ。

君の “今日” はどんな一日だった?

いや、本当にどんな日だった?

今日、自分がやったことを振り返ってみてほしい。自分が志す人間のように行動できていただろうか?

今日から毎日、今日のような日を繰り返したとして、1年後、君はどこに辿り着いているだろう?

もし、君がそのゴールや夢を本気で達成したいなら、君にとっての普通の一日は、今日とどれだけ違っている必要があるだろう?

君の夢を達成するために、君のごく「普通」な一日はどんな一日であるべきだろう?

理想とする人生を意識的に設計する最良の方法は、最良の一日から始めることだ。君にとって、最良の一日はどんな日だと思う?

君の理想の生き方を叶えるために欠かせない日々のアクティビティには何がある?今はまだ、理想の一日の邪魔をする要素がいくつかあるかもしれないが、少しずつ理想に近づけているだろうか?

君の理想の一日は、君が考える「いい人生」に基づくべきだ。君にとっての幸せと成功を定義できるのは、他でもない君しかいない。

僕にとっての理想の一日には以下のようなことが含まれる。

  • 7〜8時間の深い睡眠
  • 健康的でシンプルな食事から成る意図された食生活。ジャンクフードは300カロリー以下。一日1回は妻や子どもたちと食事する
  • 30〜60分の運動
  • 15〜30分の祈りと瞑想
  • 1〜2時間の集中した学習時間
  • 3〜5時間遮られない執筆時間(ここにはEメールは含まれない。自ら誰かに連絡をとる以外は)
  • 2時間以上の子どもたちと遊んで過ごす時間(スマホはなし)
  • 妻と2人で過ごす1時間以上の時間(スマホはなし)

この順番はなんだって構わない。全く同じ日は二つとない。これを全部やったとしても、僕には3時間以上の「合間時間」が残される。その間にメールをチェックしたり運転したり、その時発生した何かに対応したり、注意散漫になったり、友人と電話で話したりすることができる。

もちろん、毎日、上述したような内容が反映されているわけではない。たぶん、この通りに過ごせているのは1週間の半分だろう。残りの半分は、そこから色々と削り取られた断続的な怠惰で溢れている。

僕たちは皆、自分の時間をどう過ごすのかを完全にコントロールすることができる。そう信じないと、コントロールは外部にあることになり、それは被害妄想の類に繋がる。時間の使い方という責任を自分に課さないと、永遠にそこから抜け出せないだろう。

君の理想のは一日どんなだろう?

その理想の一日をどれくらい頻繁に実現できている?

もし、理想の一日を毎日続けられるとしたら、1年後、君はどこに辿り着いているだろう?5年後、どこに辿り着いていたいだろう?

アクションポイント

  • 数分間をかけて、自分の理想の一日を思い描こう
  • 君の理想の一日に含まれるアクティビティをリストに書き出そう
  • 現状の一日の過ごし方を記録してみよう。時間を測ることで意識すると、自分がどれだけ内面的な対立状態にあるのかに驚かされるはずだ

言うは易し、行うは難し。でも、意図的かつ調和した形で生きることは十分可能だ。悪い習慣を良い習慣で置き換えることも十分可能だ。そして、君が目指す人間になることもまた十分に可能だ。

モチベーションと自己制御のセオリー

君のゴールが具体的で、本質的なモチベーションに溢れ、時間に限りがある時、君は自らの成功を手に入れるまで突き進むだろう。

やる気がなくて困っているなら、きっとそのゴール自体に問題がある。間違ったゴールを追いかけているか、具体性が欠けているか、またはタイムラインに決定性が欠けている。(パーキンソンの法則を見てみてほしい)

ゴールが正しく設定されている時、こんな精神的効果が期待できる:

ある調査によると、自己制御とは、私たちの「ゴール」と「行動」との間にある一貫性のなさを特定する心理的プロセスだ。やる気の力を点火することが、私たちが現在地から目的地へとたどり着く後押しをしてくれる。

自己制御が働く具体的な方法は3通りある:

  • 自己監視:今の出来具合を定めるもの。
  • 自己評価:僕たちのゴールに対して、僕たちの成果を定めるもの。
  • 自己反応:僕たちのゴールに対して、僕たちの考え方や感じ方を定めるもの。自分たちのパフォーマンスに不満足な時、自己反応がモチベーションの源を割り当てなおす。

ただゴールを達成するだけでなく、それを大幅に越える成果をあげるために、予測される必要量より圧倒的に多くの努力をしよう。頻繁に、人はゴール達成に必要な努力の量を甘く見過ぎる。

理想的な状況を期待するのではなく、最悪の状況に構えよう。何かにかかる時間や努力をみくびるのではなく、いつでも多めに見積もろう。

実行意図

もちろん、君のゴールを達成することは容易くはない。何かを達成することが容易いなら、誰もが成功しているはずだ。ゴールに向かって走る時、人は頻繁に自己制御の課題で失敗する。

この問いへの答えを求める研究は数えしれない:モチベーションの維持に苦しむ人たちをゴールへと走り続けさせる方法は?

その答えは、心理学者が「implementation intentions」(実行意図)と呼ぶもので、アスリートなどに見られるものだ。ウルトラマラソンの走者が、困難なコースに出ようという時、彼らは自分があきらめる状況を事前に決定しておく(例えば、失明したらやめる等)。

やめる状況を事前に決めておかないと、その前にやめてしまうことになる。アメリカ海軍の特殊部隊「Navy SELAS」によると、ほとんどの人は自分のキャパシティの40%のところであきらめてしまうそうだ。

でも、実行意図セロリーはさらに先を行く。

自分があきらめる状況を知るだけでなく、対立する状況に遭遇した時のために、ゴール達成に向けた行動をあらかじめ計画しておく必要がある。

僕のいとこのJesseは、この好例だ。彼は10年以上、ヘビースモーカーだった。一日に数パックを吸っていた。でも、3年前に彼はきっぱりやめた。

少しでもストレスを感じたりしてタバコを吸いたくなった時、彼は自分に「もし、自分が喫煙者だったら、ここで僕は一本吸っている」とつぶやく。そして彼は、そのまま一日をやり過ごす。

注意散漫になる時(残念ながら頻繁に起こる)、僕は日記を引っ張り出して自分のゴールを書き留める。こうすることで、僕のモチベーションが再び点火し、軌道修正することができる。

ただ成功を願うだけでは足らない。最悪の状況に向けて備え、計画する必要がある。

君はしょっちゅう脱線するだろう。モチベーションが高くない時のために備えておかなければいけない。モチベーションを自動的に再点火するトリガーをつくることでそれができる。

アクションポイント

ゴール達成までに、君が直面することになるであろうチャレンジについて考えてみてほしい。(例:君はパーティに参加していて、君の大好きなデザートが振舞われている)。君のとっさの反応はどんなものだろう?

自分が考え付く限りのチャレンジを想像してみてほしい。その一つ一つに先回りした「反応」を用意しておく。こうすることで、君の戦闘態勢は整ったことになる。Richard Marcinkoが言ったように、「トレーニングで汗をかけばかくほど、戦場で流す血が減る。

これらのチャレンジに直面したら、先回りして用意した反応を実行するといい。

結論

君の今日どんな一日だった?

昨日はどうだっただろう?

Meredith Wilsonがうまいこと言っている:「明日を十分に積み重ねると、君は空っぽの昨日を集めたことに気がつくだろう。」今日何かをしなければ、記憶に残るような明日は訪れない。

君の一日の過ごし方は、君が今何者であるか、またこれから君が何者になるのかを明確に示す。

今より明るい未来を求めるだけでは不十分だ。その未来がどんな姿をしているかを探り、今日からその生き方を実践しなければいけない。

勝者は、勝ち始める前から勝者のように振舞う。今日勝者のように振舞わない君に、勝者としての明日は存在しないだろう。

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(翻訳:三橋ゆか里)

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