Microsoft の LinkedIn 買収が大失敗に終わるであろう5つの理由

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Image Credit: Pixabay
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最近では、最初にニュースをリークすることなしに、ビッグなテックニュースをスクープできることは稀だ。

だが、Satya Nadella氏が指揮する時代における最大の買収であり、MicrosoftがLinkedInを買収するという発表は、熱病にうなされて夢を見ているのか、それとも真実なのかとクラクラしているシリコンバレーに一撃を食らわせた。

これは真実なのだ。

今日は(編集部注:原文掲載6月13日)、ニュースのほとんどをAppleとWWDC関連が占めるはずだった。だが、Appleを出し抜いたMicrosoftのPRのささやかな襲撃には脱帽だ。

だが、それだけのことだ。バラのような香りのするプレスリリースはさておき、私は今回の動きは大失敗ではないかと感じている。

一方で、今回の買収について、その根拠を説明する記事を多く見かけるだろう。それらを信じてはいけない。一般的に買収の多くが圧倒的な失敗に終わるが、今回もまた同様の運命から逃れられるチャンスはほぼゼロに近い。

なぜか? MicrosoftはLinkedInの株主の同意を得ようとする中で、長くつらい仕事が待っている。その内容を検討してみよう。

LinkedInの価値

今回のプレスリリースでは、LinkedInの成長について楽観的な数字が並んでいた。しかし、2月2日時点でLinkedInの株価は一株あたり203ドルだった。その後LinkedInは年間の見通しを提出したが、それはウォールストリートの期待を大きく下回るものだった。投資家は1日で株価を40パーセントも下げたのだ。

Microsoft が今回支払おうとしている大きなプレミアムは、素晴らしいことのように見える。だが、多くの投資家にとっては、その事実が4ヶ月前に戻れることを意味しない。なので、株主投票までの道のりでいくつかの不満や異議が予測される。賛同を得ることは予想以上に難しいかもしれない。

LinkedInの事業

正当な価値はいくらかという問い以前に、LinkedInの主要事業について考慮すべきことがある。投資家が切れた理由は、広告の成長が鈍化していたこと、そして米国の仕事数の成長もまた伸び悩んでいたことだ。これはLinkedInにとって痛手だった。買収につながるような勢いのある成長を見せていたわけではない。

Microsoftの実績

今回の買収が、Nokiaの買収で支払った額の約4倍であるという事実はひとまず置いておこう。Microsoftは2012年に12億ドルでYammerを買い、その前にSkypeを85億ドルで買った。一つの会社が一体いくつの法人向けコミュニケーションプラットフォームを必要とするのだろうか。

私が消費者または企業であったならば、こうした寄せ集めが一つの統合された全体にどのようにまとまるのかを想像するのは大変だ。もちろん、Microsoftもまたよく分かっていない。だが、買収が正式にされたあとにその方法を見つけることを期待している。Nadella氏のメモがそれを伝えている。

本質的に、私たちはプロフェッショナルがより生産的になる方法を再発明し、同時に販売、マーケティング、人材管理事業の方法を再発明することができる。買収がまとまったあとに共に仕事を始めてから、私たちのチームが何を考え出せるか見れるのが待ち遠しい限りだ。本年度内にはその内容が見れるだろう。

曖昧なトーク・その1

一方で、今回の買収で繰り返し語られているのが、お決まりの「シナジー」だ(この言葉自体は使われていないが)。推測される方向性は、LinkedInをあらゆるMicrosoftの製品に組み込むことだ。すばらしい! だが、これはWordの書類をLinkedInでシェアしたいかを尋ねるメッセージが突然大量に送られたり、ExcelのスプレッドシートにLinkedInが組み込まれることを意味するのだろうか。

今回の買収によって、Microsoftがクラウドサービスのようなものを販売するにあたって新しいチャネルが増えるだろうといったことは多く語られている。だが、世界最大のテック企業の一つが、新しい顧客にリーチするために260億ドルを費やす必要が本当にあるのだろうか。

曖昧なトーク・その2

構造的にはLinkedInは独立性を保つ予定だ。Nadella氏は次のように伝えている。

LinkedInはブランド、独立性、そして私たちと連携している文化を維持していきます。Jeff(Weiner氏)はLinkedInのCEOを引き続き務め、私に報告をし、シニアリーダーシップチームに参加します。基本的に、Jefffにお願いしたことは、私たちの総合的な成功につながる主要な業績指標に沿ってLinkedInを経営してほしいというものです。そこを基本に、統合するべき、するべきじゃないものを決定していきます

つまり、一緒に働こうということ。だが、お互いの独立性を保ったまま一緒に働こうということ。これを「分離団結」と呼ぼう(いつかこの言葉の著作権をとって、本を書こうと思う)。

いずれにしても、縄張り争いを予測することができる。

まとめよう。Microsoftは、この目に見えた結果によって身動きがとれなくなるだろう。これによって得られる利益は、決して明らかではない。そして、その過程でLinkedInがさらに勢いを失ってしまう可能性もある。

Microsoftは間違いなく生き残るだろう。だが、これから数年、またさらに巨大な混乱に対応しなければならなくなるだろう。

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【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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