音を聴くものから感じるものへ:ウェアラブルサブウーファー「Basslet」がもたらす音楽体験

by Yuki Sato Yuki Sato on 2016.6.22

Image: Lofelt
Image: Lofelt

ベルリンのスタートアップ Lofelt は過去2年、新しい音楽体験をもたらすガジェットの開発に取り組んできた。昨日、そのガジェット「Basslet」の詳細が初めてKickstarter上で公開された

Bassletは、時計型のリストバンドと送信機がセットになっている。送信機が接続しているスマートフォンやPC、音楽プレイヤーが再生する音楽のベースを振動に変換して、手首に付けたバンドが振動を身体に伝える。送信機に接続されたヘッドフォンから耳で音楽を聴くと同時に、手首の振動を通じて身体でも音楽を感じることができる仕組みになっている。

ベルリンのナイトクラブに行くと巨大なサウンドシステムがありますが、そこで「体感」する音楽とヘッドホン越しに聴く音楽との体験があまりに大きいと感じていました。ヘッドホン越しに聴く音楽にはベースがなく、身体へのインパクトもありません。

CEO・共同創業者のDaniel Büttner氏は、このガジェットを作ろうと思った動機についてこう説明してくれた。確かに、プロトタイプのBassletを身につけてベースの効いた音楽を聴くと、音楽が身体に広がっていく感覚を受ける。音楽=聴覚による体験、とともすると思いがちだが、Bassletがもたらす体験は確かに新鮮だ。

Büttner氏と共同創業者・CTOのGwydion ap Dafydd氏が、この「手軽にベースを身体で感じられるものをつくる」というアイデアを形にするべくLofeltを立ち上げたのは約2年前のことだ。

何度もプロトタイプを作りながら、最終的に完成したLoSoundエンジン(特許申請中)は「効率的に低音の周波数を10 Hzまで下げて再生成し、低音に最適化され、幅広くダイナミックな振動を正確にもたらす」という。「手軽に身につけられるものにする」という点にこだわった結果、シンプルなデザインの小さいリストバンドとなったが、小型化の実現がもっとも大きなチャレンジだったともいう。

Image: Lofelt
Image: Lofelt

Büttner氏によれば、想定している使い道は主に「外出中にモバイル端末上で音楽を聴くユーザー、DJなどのクリエイター、ゲームやVR」であるという。確かにゲームやVRなど没入感の高いコンテツを視聴しているときにこの触覚が加われば、体験が新しいものになりそうだ。

また、聴覚障害者へのテストも実施してきたという。ソフトウェアによって聴覚障害の補助をする取り組みとしては、同じベルリンのスタートアップ mimi などもあるが、ハードウェアによるソリューションも考えらそうだ。Bassletの潜在的なユースケースは幅広い。

音楽というのはそもそも身体で感じるものだったにも関わらず、ヘッドホンの登場によって、耳から聴くものにシフトしていったのがここ2、30年の流れだったとBüttner氏はいうが、こうしたガジェットによって、音楽・コンテンツ体験は新しい流れに展開していくかもしれない。

ファウンダーの
ファウンダーのGwydion ap Dafydd氏(左)とDaniel Büttner氏(右)

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