有料版は月額9,800円〜、人事採用の管理業務を可視化・効率化する「ジョブカン採用管理」

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今年4月、シカゴで開催されたオラクル(Oracle)主催の「HCM World」という人事向けイベントに足を運ぶ機会がありました。さまざまな講演で繰り返されていたのが、組織にとっての最大の財産が「人材」であるということ。いくら資金が潤滑でも、アイディアやコンセプトをしっかり形にする優秀な人材がいなければ元も子もありません。そして昨今、人材競争はいつにも増して激化しています。

米国では、オラクルやSAPなど大手から「Zenefits」や「BambooHR」などのスタートアップまでが、HR関連のサービスを手がけています。2013年と少し遡りますが、Forbesが公表したHRテクノロジーの調査では、回答企業の57%が「1年半以内に新たなHRソフトウェアを購入する予定」と回答しました。2013年当時は「予定」だった計画がここしばらくで具現化されてきたことで、HRテクノロジー市場が盛り上がりを見せています。

人事・採用担当者1,000名の意見をもとに開発

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国外で盛り上がるHRテクノロジーの分野ですが、日本国内でも少しずつ動きが見られています。2016年1月には、ネオキャリアがデータマネージメントプラットフォーム「jinjer」を発表し、昨日もビズリーチが人材投資を可視化する「HRMOS(ハーモス)」を公開しました。

2016年8月の正式公開に向けてティザーサイトを公開したのが、Donutsが開発する「ジョブカン採用管理」です。同社は、「ジョブカン勤怠管理」や「ジョブカン経費精算ワークフロー」などクラウド型のHRサービスを提供しています。

ジョブカン採用管理は、人事・採用担当者1,000名の意見をもとに開発されました。独自に実施したアンケート調査の結果、採用における最大の課題が「人材採用の難易度の高まり」であることが判明しました。この結果を受けて、人事・採用担当者が良い人材を採ることに集中できる採用管理ツールの必要性を感じ、今回の開発に至りました。

人材採用の管理業務を可視化・効率化

企業の人材採用に関する管理業務を可視化してくれるというジョブカン採用管理。期間・媒体・エージェント・面接官別などによる多角的な効果分析によって、プロセスの簡素化にも役立てられます。また、さまざまな管理業務を自動化することで採用担当者の負担を軽減し、業務を効率化。採用担当者は、管理業務に追われるのではなく、より良い人材を採用するためのプラスのアクションを起こすことができます。

Donutsの採用グループで活用しているジョブカン採用管理のデモ版では、人事にまつわる事務作業の工数が大幅に削減できていると言います。

「特に効果が高く出ているのが、採用アシスタントの行っている管理事務(日程調整・週次の報告資料作成・メール等)で、工数が最大73%ほど削減される見込みです。また、採用グループが毎日行う会議では、タスク確認と共有に用いていた時間を採用戦略を考える時間にリプレイスできているという結果も出ています」。(ジョブカン採用管理チーム 青木久美子さん)

こだわりの操作性と価格帯

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企業にとっては、ジョブカン採用管理の価格帯と簡単な操作性も魅力です。採用管理に必要な機能はすべて無期限無料で使用可能で、追加機能が使える有料版も。新卒採用に適した機能が充実した [ベーシックプラン] は月額9,800円、戦略的な採用を行う大企業や多店舗展開の飲食チェーンでのアルバイト採用などに適した [エンタープライズプラン] は月額70,000円。既存サービスの平均は7万円台だというベーシックな機能を、ジョブカンではぐんと抑えています。

従来、B向けサービスでは UIやユーザエクスペリエンスは後回しにされてしまいがちでした。でも、使い手のリテラシーが向上し、ツールの選択肢が増える中、ツールの使い勝手に注力することが大きな差別化要因になります。

ジョブカン採用管理の操作画面は「入力」の手間を最大限に省き、クリックだけで採用管理の大半が完結するように設計されています。また、候補者の状況や 次のタスクが常に可視化されたUIで、採用の進捗状況を誰でも簡単に把握できます。ツール上での業務一元化にもこだわっており、ツール上で以下のようなことが可能です。

  • GoogleとOutlookカレンダー連携による面接の日程調整
  • 求人サイトとの連携で、複数媒体の応募者をツール上で一括管理
  • 応募者とのメール送受信もツール上で可能

分析レポートの提供やリファラル採用機能も

煩雑な管理業務の自動化によって、採用戦略を考える時間の創出を叶えるジョブカン採用管理。今後は、ツールから集約したデータを用いた採用活動の精緻な分析レポート(求人媒体別・人材紹介会社別の内定率等)を提供することで、企業の採用活動のPDCAを加速していくとのこと。また、リファラル採用機能やグループウェア連携といった追加機能の実装を検討しています。

Donutsによると、日本全体の採用管理ツールの導入は1%程度に留まるのだそうです(自社開発を除く)。これらの企業の多くのが、その管理業務を未だにエクセルで行っているのだとか。ジョブカン採用管理を含む各種採用管理ツールの登場によって、その必要性が啓蒙され、HRテクノロジー市場の盛り上がりが期待できそうです。

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