ハンドメイド商品の C2C マーケットプレイス「Creema(クリーマ)」を運営するクリーマは20日、Creema の中文繁体字版をローンチし、台湾・香港向けのサービスを開始した。これにあわせて、同社は台北市内に現地子会社「可璃嗎股份有限公司」を設立した。
Creema 中文繁体字版のローンチにより、日本の Creema にハンドメイド商品を出品している作り手が、ワンクリックで台湾・香港への出品が可能になるほか、同様に台湾・香港の作り手からも Creema 日本版へのハンドメイド商品の出品が可能になる。商品のクオリティを維持する観点から、日本から台湾・香港、および、台湾・香港から日本への国境を越えた出店は事前審査制となる。

Creema 日本版と中文繁体字版の間での作り手(売り手)と買い手ユーザのやりとりには自動翻訳機能が用意されているほか、必要に応じて、クリーマの専任スタッフが両言語で、両者間の出品や取引に関するサポートを行う。Creema 中文繁体字版での支払には、日本版と同様、クレジットカード、コンビニ支払、銀行振込、PayPal が使え、商品のやりとりには、作り手の選択で郵便や宅配便などが利用できる。
クリーマの創業者で代表取締役の丸林耕太郎氏によると、日本のハンドメイド文化との親和性が高いことから、海外市場開拓の第一弾として台湾・香港を選んだとのこと。また、台湾・香港からの出店は今日から募集することになるので、当面は、日本から台湾・香港への販売が多くなるだろうとしている。
Creema は2010年5月にサービスを開始し、7月12日時点での出品クリエイター数は7万人を超え、出品作品数は280万点以上。2014年6月の KDDI Open Innovation Fund からの1億円の調達に続き、今年5月にはグロービス・キャピタル・パートナーズらから約11億円を調達している。
この地域でのハンドメイドC2C、ファッションC2C 全般の動向を見てみると、台湾の Pinkoi(出品者数2.5万人)が先頭を走るほか、Maipple やスマオクといった日本勢も新たに参入してきている。Creema は、日本国内においても、手の込んだデザイン性の高いハンドメイド商品で他の C2C サービスと差別化を図っており、この戦略が台湾や香港でも成功するかどうか、今後の展開が期待される。
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