
<ピックアップ> Don’t call them chatbots, call them intelligent assistants
ここ最近、チャットボットの話題を目にしない日がないぐらい情報量が多く、また、周囲でもチャットUIを採用するサービスが散見されるなど国内でも動いている方が多くなってきている印象があります。
私もチェックしている関係上、たまに「チャットボットはビジネスになるのか?」という点について意見を求められることがあります。本件についてはこの記事でも書いた通り、明確な答えはまだありません。
しかし、ひとつ気になる考察に出会いました。それがこの「Don’t call them chatbots, call them intelligent assistants」というゲストポストで、書いたのはインテリジェント・アシスタントを開発しているAppZenというスタートアップの創業者、Anant Kale氏です。
もちろん、彼の立ち位置からポジショントークであることは割り引かないといけませんが、その主張である「チャットボットじゃなくて検索や比較などのインテリジェント・アシスタントサービスを作らないと意味がない」という部分は至極ごもっともかなと。
ポイントを掻い摘むとこんな感じです。
- チャットボットとインテリジェント・アシスタントは分けて考えるべき。チャットボットは会話のきっかけであって、インテリジェント・アシスタントはその向こう側にあるユーザーサービスを提供している。未来はボットではなく、アシスタント側にある。
- 確かに会話型のインターフェースは検索や比較などのインテリジェント・アシスタントに価値を追加することにはなったが、本質はその裏側にある。
- 成功例であるX.ai(スケジュール予約のインテリジェントアシスタントサービス)の本質は、人がやるよりもより上手く予定を調整してくれて、なおかつ時間の節約になる点。
考察はまだ続きますが、こうやってポイントだけ見ると「まあ当然だわな」と思える内容です。「チャットボット」をチャット「UI」とボット「サービス」に分けて思考すれば、ビジネスの本質がサービス側にあるのは明確なわけです。
つまり、サービス側をどこかのAPIから引っ張ってきてチャットUIだけを被せたものはチャットボットサービスではあるものの、いわゆるスタートアップ・ビジネスではないと考えるのが自然なのでしょう。(ここの例のように広告やアフィリエイトぐらいはあるかもしれませんが)
チャットUIやボイスコントロールに代表される会話型インターフェースは、これまで難しくてよく分からなかった「人工知能」や「検索」などのロボット技術に人間的なニュアンスを与え、新たなブランド価値を生み出すことに成功しました。
またそういったブランド価値以外にも、インターフェースの拡張は利用シーンの拡大を生みますので、ビジネスの後押しになる可能性は十分に考えられます。
その一方でチャットボットがバズワード化し、何か新しいミラクルサービスが生まれたかのような錯覚に陥いるのは危険です。よくよく観察すると単なる古臭い検索サービスのお化粧直しだったりするものもあるので、その本質の部分さえ見失わなければ正しい判断ができるのではないでしょうか。
via VentureBeat
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