創作活動に新たな仕組みと可能性を、クラウドファンディングのCAMPFIREが音楽特化型サービスを開始へ

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音楽を中心とした創作活動をしている人であれば、活動資金のクラウドファンディング活用を考えたことがあるかもしれない。

米クラウドファンディング「Kickstarter」にも数多くの音楽系プロジェクトが並んでいるし、米ヒップホップのベテラングループ「De La Soul」が2015年5月に達成した60万ドル(当時の為替レートで7200万円ほど)のファンディングは夢のある話題だった。

また、ニール・ヤング氏のハイレゾ・ミュージックプレーヤー「Pono」のプロジェクトは、単に楽曲作成だけでなく、レーベルやミュージックストアなどの企画もクラウドファンディングを通じて実現可能なのだということを教えてくれた。(残念ながらPonoのプロジェクトは現在停止中だが

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現在CAMPFIREで実施中の音楽系プロジェクト

こういった音楽とクラウドファンディングの可能性を模索しているのがCAMPFIREだ。代表取締役の家入一真氏によればこれまで支援してきた音楽系プロジェクトは350件ほど(サイト上で公開されているものは213件)で、その内100件を超えるプロジェクトが2月の手数料引下げ以降に集中しているという。

彼らはこういった好調ぶりを背景に、9月中旬にも音楽プロジェクト特化型の新サービスを立ち上げる予定らしい。単にクラウドファンディングでの資金集めだけでなく、音楽業界に精通している人物によるメンタリングや、マーケティング支援など、音楽を生業としたい人たちの総合的なサポートを提供するという。

「5年ほどクラウドファンディングをやってきて、音楽をやってる人たちからするとこういう方法でお金集めて必死感出すのはヤダっていう雰囲気も確かに感じることはありました。でもCAMPFIREでのプロジェクトでも500万円や1000万円近く集まるものも出てきており、そういう方々はクラウドファンディングってかっこ悪いよねっていうのを逆張りして使ってるんですよね。決して助けてください、という文脈じゃなくて」(家入氏)。

音楽特化型のサービスについては詳細はまだだが、彼らのプラットフォームで既に特徴的なプロジェクトが進行している。これらの事例を見ればクラウドファンディングが単なる楽曲販売のための集金所ではなく、アーティストの活動の幅を広げる場として機能しつつあることが分かるはずだ。

アーティストが自らレーベルを立ち上げる例

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メジャーレーベルで活躍中のバンド、メレンゲのボーカルを務めるクボケンジ氏が自主レーベル『BoGen Records』を立ち上げるためにクラウドファンディングを実施。今日時点で479人が支援して、約590万円を集めている。

ベテラングループの結成記念にドキュメンタリー映画を作成した例

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ベテランパンクバンドグループ「ニューロティカ」は結成30周年の記念としてドキュメンタリー映画を制作。2014年6月に900万円以上を集め、翌年の10月にはDVDの発売にまで展開している。

クラウドファンディング限定リリースの例

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既存のレーベルからデビューしたアーティストが2ndシングルをクラウドファンディング限定でを活用した例。メンバーとの交流をリターンに設定するなど、単に楽曲販売のみではないアイデアを組み込んでいる。2016年5月に終了し、目標金額の2.5倍以上にあたる約510万円を集めた。

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