国際派スタートアップに焦点をあてた深圳のコワーキングスペース「SimplyWork(思微)」CEOのGuo Yifan(郭逸)氏にインタビュー

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SimplyWork-4.0

ミレニアル世代の労働者数とスタートアップ業界の増長にともない、中国ではコワーキングスペースが昔ながらのオフィススペースにとって代わりつつある。成長を続けるこの市場セクターには、台頭する国内コワーキング企業と海外からの参入組がひしめいている。

アジア圏での拡大を目指して3月に4億3,000万米ドルを調達した WeWork は、6月に最初のスペースを上海でオープンした。オーストラリア最大のスタートアップハブ FishBurners も8月末には自社コワーキングスぺ―スで中国への進出を計画している。国外のコワーキング企業が中国に目を向ける中、グローバルなビジョンを掲げるローカルスペースが増えている。

2015年に設立された SimplyWork(思微)は、中国最大のテックハブの一つ深圳を拠点とするコワーキングスペーススタートアップだ。同社は6月のシリーズAラウンドで IDG Capital Partners、Huazhu Group(華住集団)と Vanke Group(万科集団)から3,000万人民元(約4,500万米ドル)を調達した。

TechNode(動点科技)は、ローカルコワーキングスペースや国際的なコミュニティの形成について SimplyWork(思微)のCEOで共同設立者の Guo Yifan(郭逸)氏に話を聞いた。

アメリカのコワーキングスペースと中国のコワーキングスペースの最大の違いは何ですか?

私の意見としては、コワーキングというコンセプトへの意識が最も違います。従来の働き方やオフィスのあり方はとても長い間継続されてきました。中国では「フリーランス」という言葉に馴染みのない人が多く、コワーキング業界は言うまでもなく知られていません。アメリカの成熟した市場に比べて、コワーキングスペースが広く認識されるにはかなりの時間と相当な努力が必要です。

競合企業が増える中、コワーキングスペースの独自性を保つには何が必要ですか?

実際、他のコワーキングスペースを競合相手だとは考えていません。むしろ、全員が中国におけるこの新しい業界の先駆者であり、「コワーキング」がメインストリームでありトレンドであるという確信をもってこのコンセプトを広める役目を担っていると思います。コミュニティの独自性と稼働率に寄与する要因は、魅力的なインテリアデザイン、プロフェッショナルな起業サービスやフレンドリーな雰囲気など、さまざまです。

中国のコワーキングスペースとインキュベータ市場はバブル状態だと思いますか?

個人的な考えとしては、コワーキングスペース、インキュベータとメーカースペースが近年中国で急速に増えましたが、ライフサイクルが短いものもありますのでこれはバブル市場ではなく通常起こりうる現象だと思います。ですが、よく考えず勢いだけで新規市場に参入すると必ず失敗します。中国のコワーキングスペース市場には明るい将来と大きな可能性があるととらえています。

深圳を選んだ理由は?

深圳はチャンスと可能性の宝庫です。最も重要なグローバル経済の中心地の一つである香港にほど近く、中国起業家の集まる都市としても有名です。豊かで多様なリソースがすぐ手に入るのです! Tencent(騰訊)やHuawei(華為)、TCL など多数の有名ハイテク企業本社や工場が深圳に拠点を構えているのもこのためだと思います。

寛容さが世界のさまざまなバックグラウンドや文化を持つ人々を惹きつけています。深圳では「深圳に来る人は深圳の一部になる」と言われており、これが、繋がり、コミュニケーション、協働といったコワーキングの核心と共鳴するのです。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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