
【10日8時追記:山田氏よりコメントと補足を貰ったので追記する】
「今後も世界中のより多くの人に愛されるサービスを作り続けたいと考えています。Conyacに登録いただいている様々なスキルを持ったバイリンガルの方々が、その能力を最大限発揮できる場所を作っていきます。長期的にはロゼッタさんとクラウドソーシングとAIの融合という今までになかった価値を生み出していければと思います。今は新しいスタートとしてすごくワクワクしてます」(山田氏)。
なお、当初タイトルに使った「ソーシャル翻訳」というコンセプトはもう使っておらず、現在はバイリンガルたちがオンラインで仕事をする「バイリンガルプラットフォーム」という呼称を使っているということだった。合わせてタイトルも変更させていただく。
以上、追記終わり。
ロゼッタは8月9日、クラウドソーシングでの翻訳サービス「Conyac」を運営するエニドアの株式取得および簡易株式交換により、完全子会社化すると発表した。
開示された情報(リンク先はPDF)を確認すると、取得にかかる費用は総額で約14億円。内訳としては8月15日にロゼッタがエニドアの発行済株式1263株のうち633株を7億3200万円の現金で取得。残りの630株については9月1日時点でロゼッタ株195,930株と交換する(注:株価は算定概要にある価格 3,414円で計算、約6億6900万円)。
ロゼッタはプロ翻訳の「翻訳通訳事業」、機械翻訳の「MT事業」、この中間となる「GLOZE事業」を展開しており、エニドアの提供するクラウドソーシング翻訳事業が「GLOZE事業」と「MT事業」の間を埋めるものになるとして今回の買収に至ったとしている。
エニドアの創業は2009年2月。創業者の山田尚貴氏が以前務めていた企業で、留学経験のある彼に短いメールなどの翻訳依頼が多かったことからConyacの原型となるアイデアは生まれた。2016年8月の今日時点でサイトに掲載されている翻訳者の数は100カ国8万人となっている。
スカイライト・コンサルティング主催のビジネスコンテストでシード資金を獲得した山田氏は、友人の小沼氏(小沼智博氏、旧姓は菊池)と同社をスタートアップし、サムライインキュベートとの出会いで本格的な事業への道のりを歩み出すこととなる。
同社はこれ以降、ngi group(現ユナイテッド)や佐俣アンリ氏などの支援を受けながら、2013年10月にはユナイテッド、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルから6000万円の資金調達に成功している。
また、ここ1年ほどは主に企業の海外進出をサポートする総合的なアウトソーシング事業を展開するなど、法人向けの事業に力を入れていた。現在、エニドア代表取締役の山田氏に買収に関するコメントを依頼しているので届き次第追記する。
なお、コニャック創業からの歩みについてはこの対談記事に詳しく書かせてもらっている。
【投資家・起業家対談】「VCとかインキュベーター以前に仲間なんです」ーーサムライインキュベート榊原氏×エニドア山田氏(2/3)
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