
マレーシア元首相の Abdullah Badawi 氏は、ジャカルタで行われた第12回世界イスラム経済フォーラムにて世界初のワクフ(イスラム宗教寄進制度)クラウドファンディングプラットフォーム Waqf World をローンチした。
Waqf World はワクフとクラウドファンディングの力をかけ合わせている。ワクフとは、「イスラム教徒による宗教的、教育的、社会的あるいは慈善事業のための寄進制度」と定義されている。永続的、組織的な寄付の形態だ。ワクフに指定された財産は寄付、譲渡、相続および売却ができなくなる。
歴史上、ワクフはイスラム教、教育、科学および社会的組織の構築と維持など、さまざまな目的に使われてきた。
Waqf World を開発、運営している EthisVentures.com は、企業の社会的責任(CSR)の一環として倫理的イスラムクラウドファンディングプラットフォームの構築および運営に積極的に取り組んでいる。
このイスラムクラウドファンディングプラットフォームは受益者やユーザに手数料を課しておらず、初期フェーズでは完全無料となっている。一部の運営費はボランティアによって賄われており、その他リソースは Ethis Ventures が提供している。
ワクフに基づくクラウドファンディング設立のアイデアが初めて提案されたのは、イスラム開発銀行イスラム調査訓練研究所(IRTI)が2016年1月にジェッダで開催したイスラム経済金融研究センター(EKONIS)とマレーシア国民大学(UKM)による円卓会議の場であった。
設立を支援した Badawi 氏は、ワクフクラウドファンディングがウンマ(コミュニティ)の形成に役立つと考えた。第5代マレーシア首相として在職中に画期的なワクフ活用を行った彼は、ワクフに情熱を注いでいる。
Waqf World はコミュニティの形成に力を入れており、テクノロジーを駆使してムタワリ(承認、認知された管財人または管理者)と呼ばれる提携先や、イスラムのマイクロファイナンス、教育、人材育成、人道支援、社会事業や宗教行事および財産といった同社キャンペーン用チャリティに対するキャッシュワクフのフロー向上を目指している。
元首相はプレス向けの声明で次のように語っている。
ワクフはイスラム世界を一つにまとめ、社会経済的発展をもたらす制度なのです。
Waqf World マネージングパートナーの Adi Rahman 氏はこう語った。
世界中のワクフ組織のプロジェクト参加を歓迎します。同時に、コーポレートガバナンスを徹底し、信用と持続性の獲得に努めます。
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