Li-Fiが使える太陽光パネル:「デジタル・インディア」成功に向けた次なる革命

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先進国の場合、急速な工業化がやがて経済の基盤となる。インターネットは多くの利用者に明るい未来を提供するために必要な土台のようなものだ。

公式サイトによると、デジタル・インディアとは「インドをデジタルにより強化された知識経済社会に変革することを目指す政府の基幹プログラム」である。

インドの地域構造をみると、各戸各人にネット接続サービスを提供できるほどの力はない。むしろ、電気が行き届いていない地方が複数あるため経済的にも成り立たない。頑強なネット接続サービスを備えた24時間の電気供給を実現することがプログラムの最終目標である。うまくいけば、電気供給とネット接続に関する問題はこの多目的プロジェクトによって解決されそうだ。

Li-Fi とはデータを高速で伝送する OWC(光無線通信)技術だ。双方向、無線であるところは Wi-Fi と共通しているが、高速かつエネルギー消費が最小限で済むところが優れている。

Li-Fi は、エジンバラ大学卒でリサーチを本業としているベンチャー企業 PureLifi の暫定 CEO を務めている Harald Haas 氏が考案した。Livemint.com とのインタビューの中で同氏は、地方におけるネット接続サービスの問題に対する解決策を提示した。これによると Haas 氏は Li-Fi 太陽光パネルの実用化に向けてインド政府と話し合いを進めているという。

簡単に言えば、この技術は高速データ通信と自家太陽光発電を革新的な形で組み合わせたものである。Apple 等の企業はこの技術の進歩を注視しており、自社製品で大々的に活用しようとしている。

推測するに、インターネットの急成長にはエネルギー消費が最小限で頑強なネット接続ができる装置が必要だろう。Li-Fi 技術は世界のデジタル革命に向けた究極のソリューションだ。Li-Fi が使える自家発電太陽光パネルがあれば、すぐさま何兆ものデバイスがネットに接続することができる。

インドは、電力インフラの整備に関していくつかの困難に直面している。そのため、Li-Fi が使える太陽光パネルがネット革命の出発点になるかもしれない。革新的な太陽光パネルにみられるような最近の動きをみると、立地条件に関わらずネット接続が終日可能となるだろう。

デジタル・インディアの賜物である Li-Fi 技術で何ができるか、詳細に見ていくことにしよう。

1. 費用の最小化

太陽光パネルの特徴は、1回の投資で済むことだ。太陽光パネルを設置した後は何年も太陽エネルギーを活用するだけ。1つの同じデバイスで自家発電のメリットを享受しつつ高速データ通信ができる状況を考えてほしい。

Li-Fi が使える太陽光パネルはこれと同じ原理だ。しかも設置にかかる費用は最小限で済む。現在あるインフラを活用し、近い将来は LED 電球と太陽光パネルに補助金を出して広めれば、この2つの技術の組み合わせで極めて少ない費用でエネルギーを効率的に確保することが可能となる。

2. 高速スマートシティネットワーク

デジタル・インディアでは、頑強なネット接続と知識インフラを備えたスマートシティの開発を目指している。地方で Li-Fi が使える太陽光パネルが実用化されれば、安定した電気供給を整備しなくて済むため、この計画の実現可能性はかなり高くなりそうだ。太陽光パネルでは自家用エネルギーを生み出すが、余剰電力は送電線に供給してもよい。さらに Li-Fi の技術により最小限の費用で高速接続が実現される。

Li-Fi は、既存の光ファイバーネットワークや Wi-Fi インフラの基盤の上に構築することで、企業や政府機関において高速データ通信向けの現行システムに組み込むこともできる。 デジタル・インディアに向けたイノベーションがここに実現する!

3. 通信帯域の強化

ネットや各種無線通信に対するニーズの高まりはみられるが、あらゆるニッチな場所でそのニーズに応えられるほど電波スペクトルは十分ではない。その意味で、Li-Fi はこの問題に対処できる完璧なイノベーションになるだろう。 目視できる光スペクトル下で動作するからだ。しかも安全であるだけでなく、RF(ラジオ周波数)が持つ3kHz~300GHz よりも広い帯域が確保できる。

周波数割当や電波オークションに関して様々な議論がなされているところ、このアプローチは無線通信の課題解決に役立つことだろう。エネルギーの境界や電波スペクトルの制限に影響されず、費用要因にも左右されないこの計画を実行することは、デジタル・インディアの発展にとって必要な要素である。

4. インドの地方部におけるブロードバンドアクセス

デジタル・インディアの夢は、地方の発展なくして実現されないだろう。インドではなんと人口の70%もの人が地方在住だ。 インフラや投資が不十分なため、全ての人にブロードバンドサービスを提供するのは不可能である。

人口の大半が電気供給を受けていない状態でネットに多大な投資をするのはお勧めできない。 しかし Li-Fi が使える太陽光パネルがあれば、 多くの遠隔地でネット接続が可能となる。LED 電球に特徴的な最小限の電力消費を生かしつつも、この多機能イノベーションはデジタル・インディアの成功に欠かせないのだ。

Li-Fi(ライト・フィデリティ)は未来のテクノロジーだ。 従来の Wi-Fi(ワイヤレス・フィデリティ)と比べるとイニシャルコストは高いものの、対象範囲が拡大するにつれて価格は低下していくだろう。エジンバラ発の PureLifi は100万米ドルの投資を受け、その時価総額は1,400万米ドルに達した。

この技術は現行の無線インフラを加速度的に展開させるほどには広がっていないが、近い将来、 最小限の費用で高速インターネットへのアクセス実現が期待できるだろう。費用面については、この技術に関心を示す企業次第だ。

Harald Haas 氏がインド政府と話し合いをしているとはいえ、この技術が広く採用されるには至っていないようだ。Li-Fi 内蔵の太陽光システム技術がこの国のエネルギーインフラに採用されるなら、デジタル・インディアはとびきりの成功を収めるだろう。


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